「情報をエネルギーに変える」 マクスウェルの悪魔、 液体の“記憶”まで 使えると実験で判明


2026/11/7

「情報をエネルギーに変える」 マクスウェルの悪魔、 液体の“記憶”まで 使えると実験で判明

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「情報をエネルギーに変える」

マクスウェルの悪魔、

液体の“記憶”まで

使えると実験で判明

 
 
 

 

ソファから立ち上がったあとも、

クッションのへこみがしばらく戻らずに

残っていることがあります。

 

 

こうした「さっきの名残」は、

目に見えないほど小さな世界にもあります。

 

 

物理学には「マクスウェルの悪魔」と

呼ばれる思考実験があります。

 

 

150年以上前に考え出され、

情報とエネルギーの関係についての

理解を大きく形づくってきた存在です。

 

 

ところが現実の悪魔には、

周りの液体の中に隠れた情報までは

見えません。

 

 

では、その隠れた情報、

いわば液体の「記憶」を、

エネルギーのもとに変えることは

できるのでしょうか?

 

 

独コンスタンツ大学らにより、

この問いに実験で迫った研究成果が

発表されました。

 

 

研究の詳細は、独コンスタンツ大学らにより、

2026年10月16日付で

学術誌『Nature Physics』に掲載されました。

 

 

2026年10月に、
 
物理学の専門誌
 
「Nature Physics」に掲載されました。
 
 
 
研究チーム
 
コンスタンツ大学と、ゲッティンゲンにある
 
マックス・プランク動力学・自己組織化研究所の
 
物理学者たちが、
 
実験と理論の両面から取り組みました。
 
 
 
調べた対象
 
 
界面活性剤が網目を作る液体に浮かべた、
 
直径2.7マイクロメートルのシリカ
 
(ガラスの原料になる物質)の粒です。
 
 
 
調べ方
 
光ピンセットで閉じ込めた粒の位置を
 
時間をあけて2回測り、
 
その結果ごとに、
 
その後の粒の動きを比べました。
 
 
 
調べ方
 
網目の動きは直接は見えないため、
 
粒の過去を覚えている
 
「隠れた部分」として扱いました。
 
 
 
分かったこと
 
2回測って網目に残る記憶を読み取り、
 
それをうまく使うと、
 
粒から取り出せる仕事
 
(使えるエネルギー)が増えました。
 
 
 
分かったこと
 
条件によっては、取り出せた仕事が、
 
目に見える粒の動きだけに蓄えられた
 
エネルギーを上回りました。
 
 
 
まだ分かっていないこと
 
今回の実験は、
 
1つのくぼみに粒を閉じ込めた
 
最小限の設定で行われており、
 
高分子の溶液や体液のような、
 
ほかの複雑な液体でも同じように
 
役立つかは、
 
まだ確かめられていません。
 
 
 
 
 

悪魔の手が届かない

「見えない網目」

 
 

マクスウェルの悪魔は、

ミクロの世界にいる想像上の門番です。

 

 

気体の分子が入った2つの部屋が、

小さな扉でつながっている

場面を思い浮かべてください。

 

 

悪魔は分子の動きを1個ずつ見張り、

速い分子は一方へ、

遅い分子は反対側へ通るように

扉を開け閉めします。

 

 

 

マクスウェルの悪魔の思考実験を表した図です。扉を通す分子を速さで分けると、速い分子が集まる左の部屋は熱く、遅い分子が集まる右の部屋は冷たくなります。
マクスウェルの悪魔の思考実験を表した図です。
扉を通す分子を速さで分けると、
速い分子が集まる左の部屋は熱く、
遅い分子が集まる右の部屋は冷たくなります。

やがて片方の部屋は熱く、

もう片方は冷たくなり、

この温度差で機械を動かせるようになります。

 

 

大事なのは、

悪魔が自分でエネルギーを

足すのではなく、

分子の動きの情報だけで

この差を作っている点です。

 

 

一見すると熱の基本法則に反するため、

この悪魔は当初、論争を呼びました。

 

 

今では、

情報そのものが仕事(使えるエネルギー)に

変えられる物理的な資源だと考えることで、

この矛盾は解かれています。

 

 

ここから、

温度差ではなく情報で動く小さな機械

(情報エンジン)への関心が高まってきました。

 

 

ただし現実の悪魔は、

完全な情報を持てません。

 

 

しかも小さな機械が働く場としては、

高分子の溶液や生き物の体液のような、

中に細かな構造を持つ液体も期待されています。

 

 

こうした液体の中の構造は悪魔から直接見えず、

関係する情報の一部が隠れたままになって、

機械の効率を下げてしまいます。

 

 

それでも、

これまでの情報エンジンの実験の多くは、

周りとやり取りした情報はすぐ

失われると暗に仮定してきました。

 

 

2010年に中央大学と東京大学のチームが発表した実験の考え方を、階段の形で表した図です。左から順に見ると、ふだんは平均して下っていく粒が、上に動いたときだけ後ろに壁を置くことで、階段を登っていく様子が分かります。
 
2010年に中央大学と東京大学のチームが
発表した実験の考え方を
階段の形で表した図です。
左から順に見ると、ふだんは平均して下っていく粒が、
上に動いたときだけ後ろに壁を置くことで、
階段を登っていく様子が分かります。

 

 

研究チームはまず、

粒子の位置を1回測るだけでは、

液体の記憶に関わる役立つ情報に

原理的に届かないことを示しました。

 

 

記憶は「ある時と別の時のつながり」の

中に現れるため、

一瞬を切り取る1回の観測には写らないのです。

 

 

記憶を使うには、

時間をずらして何度か測る必要が

あるということです。

 

 

 

時間をあけて2回測ると、

粒に何が起きたのか?

 
 

そこでチームが使ったのは、

直径2.7マイクロメートル、

1ミリの約370分の1という、シリカ

(ガラスの原料になる物質)でできた小さな粒です。

 

 

この粒を、

界面活性剤(かいめんかっせいざい、

せっけんや洗剤の仲間の物質)を

溶かした液体に浮かべました。

 

 

この液体の中では、

界面活性剤がスパゲッティのような

網目を作り、

たえず組み替わっています。

 

 

網目がゆがんでから落ち着いていく

速さの目安(緩和時間)は、約6秒です。

 

 

粒が動くと網目がゆがみ、

ゆがんだ網目が粒を押し返して、

その後の動きを左右します。

 

 

液体の中の網目が粒の動きを覚えるしくみを、3つの場面に分けた図で、網目や粒の形と大きさは正確ではありません。左から順に、粒が動くと網目がゆがみ、ゆがみが粒を押し返し、約6秒を目安に落ち着いていく流れが分かります。

液体の中の網目が粒の動きを覚えるしくみを、

3つの場面に分けた図で、

網目や粒の形と大きさは正確ではありません。

左から順に、粒が動くと網目がゆがみ、

ゆがみが粒を押し返し、

約6秒を目安に落ち着いていく流れが分かります。

 

 

つまり網目は、

粒の過去の動きを覚えている

「隠れた記憶」の役目を果たしているのです。

 

 

チームは、強くしぼったレーザー光

(光ピンセット)で、

粒をおわんの底のようなくぼみに閉じ込めました。

 

 

粒の位置は、

1秒に100回の速さで記録しました。

 

位置の空間分解能は

プラスマイナス5ナノメートルで、

粒の直径の約540分の1という細かさです。

 

 

一方で、網目そのものの動きは、

この実験では直接は見えません。

 

 

そこでチームは、

時間をあけて粒の位置を2回測り、

結果の組み合わせごとに、

その後の粒のエネルギーの変化を追いました。

 

 

測るといっても、

粒の位置を細かく読むのではなく、

決めた線より左にいるか右にいるかを

見分けるだけの簡単なものです。

 

まず、2回の測定の間を1秒あけた場合です。

 

 

2回目の結果が同じでも、

1回目の結果しだいで、

その後のエネルギーの落ち着き方が

大きく変わりました。

 

 

2回測れば、

網目の記憶をとらえられることを示す結果です。

 

 

なかでも目を引いたのは、

ある決まった結果の組み合わせになった粒です。

 

 

この粒のエネルギーは、

素直に一方向へ変わっていくのではなく、

途中で向きを変える(非単調な)動きを見せました。

 

 

粒のエネルギーの平均が時間とともにどう変わるかを、2回の測定の間を1秒と200秒あけた時で比べた図です(線の形は模式的で、縮尺は正確ではありません)。1秒の時のある結果の組み合わせの線は途中で向きを変えていて、見えない網目から粒へエネルギーが戻ってきたことが分かります。

 

粒のエネルギーの平均が時間とともにどう変わるかを、

2回の測定の間を1秒と200秒あけた時で比べた図です

(線の形は模式的で、縮尺は正確ではありません)。

 

1秒の時のある結果の組み合わせの線は

途中で向きを変えていて、

見えない網目から粒へエネルギーが

戻ってきたことが分かります。

 

 

 

隠れた網目から粒へエネルギーが

戻ってきたことを示す、

直接の実験的な証拠です。

 

 

 

では、間を200秒、

つまり3分以上あけるとどうなるでしょうか。

 

 

このときは1回目の結果に関係なく、

2回目の結果だけでその後の動きが決まりました。

 

 

間をあけるうちに網目が落ち着ききり、

前の状態をもう覚えていなかったためです。

 

 

エネルギーは寄り道をせず、

上からも下からも平均の値へ

まっすぐ近づいていきました。

 

 

1回だけ測った場合の動きも、

この200秒あけた場合とほぼ同じでした。

 

 

1回だけ測るのは2回の間隔を

ゼロにしたのにあたり、

間隔は長すぎても短すぎても

記憶の効果は消えてしまいます。

 

 

記憶が読めるのは、

網目がまだ粒のことを覚えている間に

2回目を測ったときだけなのです。

 

 

 

網目の記憶は、

取り出せるエネルギーを増やした

 

 

粒の位置を時間をあけて2回測るやり方の図で、時間の長さの縮尺は正確ではありません。間が1秒なら網目の記憶が読めますが、200秒あけると網目はもう前の状態を覚えていません。

 

粒の位置を時間をあけて2回測るやり方の図で、

時間の長さの縮尺は正確ではありません。

 

間が1秒なら網目の記憶が読めますが、

200秒あけると網目はもう前の状態を覚えていません。

 

 

ただし、

ここにはひとつ落とし穴があります。

 

2回測った粒の集団と、

2回目と同じ結果を1回だけ測って得た粒の集団は、

測り終えた時点で、

すでに位置の散らばり方が違っています。

 

 

これでは、

その後の違いが記憶によるものなのか、

出発点の違いによるものなのか区別できません。

 

 

そこでチームは、

1回だけ測った粒の中から、

出発時の位置の散らばりがそっくりに

なるように粒を選び出しました。

 

 

こうして作ったのが、

出発点は同じでも過去を知らない

「対照の集団」です。

 

 

記憶のない液体なら、

この対照の集団と2回測った集団は、

まったく同じように動くはずです。

 

 

両者に違いが出れば、

それは網目に蓄えられていた情報が

粒へ戻ってきた分(情報の逆流)だと言えます。

 

 

チームはこの違いを1つの指標にまとめ、

記憶がなければほぼゼロ、

記憶が効いていればゼロから

離れるようにしました。

 

 

そして、

2回の測定の間隔を変えながら、

この指標を調べていきました。

 

 

結果の組み合わせごとに指標の

変わり方は大きく違ったものの、

 

1つを除くすべてで、

効果がもっとも大きく現れたのは

間隔が約1秒のときでした。

 

 

 

この約1秒は、

網目の記憶が薄れる速さと、

粒がくぼみの中で落ち着く速さの

兼ね合いで決まっていました。

 

 

コンピューターによる計算でも、

この振る舞いはよく再現されました。

 

 

さらに、

指標がゼロから離れる場面は、

網目から粒へエネルギーが一時的に

戻ってくる場面と重なっていました。

 

 

「情報が戻ること」と「エネルギーが戻ること」は、

直接つながっていたのです。

 

 

そして、

この記憶をうまく使うと、

粒から取り出せる仕事(使えるエネルギー)が

増えることが確かめられました。

 

 

左か右かを2回見分けるだけの

簡単な仕組みでも、

記憶を取り出して仕事に変えるには足りたのです。

 

 

 

2回の測定の間隔と、粒から取り出せた仕事の割合(記憶が無い場合の理論上の最大値に対する割合)の関係を、ある結果の組み合わせの例で表した図です(線の形は模式的で、縮尺は正確ではありません)。山のてっぺんを見ると、間隔が約1秒のときにこの割合が一番大きくなることが分かります。

 

2回の測定の間隔と、

粒から取り出せた仕事の割合

(記憶が無い場合の理論上の

最大値に対する割合)の関係を、

ある結果の組み合わせの例で表した図です

(線の形は模式的で、縮尺は正確ではありません)。

 

山のてっぺんを見ると、

間隔が約1秒のときにこの割合が一番

大きくなることが分かります。

 

 

 

取り出せた仕事も、

結果の組み合わせごとに、

指標とよく似た形で変わっていました。

 

 

そのためチームは、

この指標が、

隠れた記憶から仕事を引き出す効率を

前もって示す目安になると見ています。

 

 

さらに条件によっては、

取り出せた仕事が、

目に見える粒の動きだけに蓄えられた

エネルギーを上回りました。

 

 

粒だけを見ていては説明のつかない分が、

見えない網目の側から

引き出されたと考えられます。

 

 

もっとも、

今回確かめたのは、

光で閉じ込めた粒と、

決まった組成の1つの液体という組み合わせです。

 

 

高分子の溶液や体液など、

ほかの複雑な液体でも同じように役立つかは、

この実験ではまだ確かめられていません。

 

 

それでも、

小さな機械の効率を下げる原因とされてきた

「隠れた情報」が、

実験で扱える資源になることが示されました。

 

 

チームは、

時間のつながりを持つ環境で

働く情報エンジンの性能を、

こうした記憶で高める道筋が見えてきたとしています。

 

 

網目がまだ粒の動きを覚えているうちに、

ちょうどよい間隔(この実験では約1秒)を

あけて2回目を測れば、

悪魔は見えない網目からも力を借りられるのです。

 

 

ここからは、

マクスウェルの悪魔をもっと知りたい人へ

 

 

マクスウェルの悪魔とは、

熱の基本法則にすき間がないかを

試すために考えられた、

空想の中の小さな門番です

 
 

マクスウェルの悪魔は、

19世紀の物理学者マクスウェルが考え出した、

空想の中だけにいる小さな存在です。

 

 

写真をもとに作られた版画による、ジェームズ・クラーク・マクスウェルの肖像です。この悪魔を考え出した、スコットランドの物理学者です。

写真をもとに作られた版画による、

ジェームズ・クラーク・マクスウェルの肖像です。

この悪魔を考え出した、

スコットランドの物理学者です。

 

 

この悪魔が初めて書かれたのは、

1867年にマクスウェルが

テイトへ送った手紙だろうとされています。

 

 

その手紙でマクスウェルは、

すべての分子の通り道と速さをひと目で見抜けるのに、

仕切りの穴を開け閉めすることしかできない

「有限の存在」(何でもできるわけではない存在)を

思い描くように書いています。

 

 

マクスウェルと同じスコットランドの物理学者、ピーター・ガスリー・テイトが、本を開いて座っている姿です。マクスウェルが悪魔のもとになる考えを手紙で書き送った相手が、このテイトです。

マクスウェルと同じスコットランドの物理学者、

ピーター・ガスリー・テイトが、

本を開いて座っている姿です。

 

マクスウェルが悪魔のもとになる考えを

手紙で書き送った相手が、

このテイトです。

 

 

 

その考えはのちに、

マクスウェルの本『熱の理論』で紹介されました。

 

 

 

背に英語の題「Theory of Heat」が入った、マクスウェルの本『熱の理論』の1872年の版です。この本の中で悪魔は、熱の基本法則が、たくさんの分子が関わる統計の決まりであることを示すために使われました。

 

背に英語の題「Theory of Heat」が入った、

マクスウェルの本『熱の理論』の1872年の版です。

この本の中で悪魔は、熱の基本法則が、

たくさんの分子が関わる統計の決まりで

あることを示すために使われました。

 

 

ところが、

この存在を「悪魔」と呼んだのは本人ではなく、

ウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)で、

1874年に「知的な悪魔」と書いています。

 

 

 

ケルヴィン卿ことウィリアム・トムソン(1824〜1907年)の写真です。船の羅針盤を収める台にもたれ、船の上で方位を測るための鏡を手にしています。マクスウェルの空想の門番を「悪魔」と呼んだのが、この人です。

 

ケルヴィン卿ことウィリアム・トムソン

(1824〜1907年)の写真です。

 

船の羅針盤を収める台にもたれ、

船の上で方位を測るための鏡を手にしています。

マクスウェルの空想の門番を

「悪魔」と呼んだのが、この人です。

 

 

 

マクスウェルも、

日付の分からない手紙に

「この名前を付けたのは誰か?

トムソン」と書き、悪魔を

「とても小さいが元気な存在」とまとめています。

 

 

マクスウェルがこの悪魔を持ち出したのは、

熱力学の第二法則(熱の基本法則の1つ)が、

たくさんの分子が関わる統計の法則だと示すためで、

テイトにはこの法則に「穴をあけたい」と伝えていました。

 

 

もし悪魔が本当に働けば、

第二法則が否定したはずの「第二種永久機関」

(熱をそっくり仕事に変える装置)になり、

大気や海から仕事をいくらでも取り出せてしまいます。

 

 

この難問がきちんと解かれるまでには115年がかかり、

カギになったのは、

1961年にランダウアーが示した

「情報を消すと、

必ずまわりに熱が出る」という決まりでした。

 

 

Q. 結局、悪魔の謎はどう解かれたの?
A. 大きな手がかりになったのは、1929年にレオ・シラードが考えた、分子がたった1個だけの気体を使う思考実験です。その後、悪魔が見て覚えたことを忘れて頭の中をリセットするときに、悪魔の頭の中の乱雑さが増え、まわりに熱が出ることが分かりました。長く謎が解けなかったのは、この「悪魔の頭の中の乱雑さ」が考えに入っていなかったためです。

 

 

Q. マクスウェルの悪魔で永久機関は作れる?
A. 作れないと考えられています。悪魔の頭の中の記憶の「温度」を、外から仕事をせずに上げ下げできるという前提そのものが、熱力学第二法則に反するためです。また、外とやり取りせず、温度がそろって落ち着いたところでは、こうした悪魔は存在できないことも分かっています。

 

 

Q. ラプラスの悪魔とは何が違う?
A. ラプラスの悪魔は、フランスの数学者・天文学者ラプラスが自分の本で述べた別の存在で、ある瞬間のすべての原子の位置と運動量(動きの勢い)を知っていれば、未来を完全に計算して言い当てられるとされます。分子を見分けてより分ける門番のマクスウェルの悪魔に対し、こちらはすべてを知って未来を見通す存在です。今では、原子の位置と運動量は確率でしか知ることができないため、ラプラスの悪魔は存在しないと考えられています。

 

 

Q. もとはどの本に出てくる?
A. マクスウェルが熱について書いた本『熱の理論』に出てきます。それより前にテイトへの手紙で書いていた考えが、この本で一般に向けて発表されました。

 

 

写真で見る悪魔の

研究をめぐる人・道具・液体

 

 

 




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