老化した細胞を
若返らせる
遺伝子を発見
老いた細胞を再び若返らせる
役割を持つ遺伝子が発見された。
米ハーバード大医学部の
ジョージ・チャーチ教授、
ワイス研究所の
アレクサンドル・プレサ博士らが
参加した国際共同研究チームは、
「SRSF1」という遺伝子に老化した
細胞を若い状態へ戻す
効果があるとの研究結果を、
14日(現地時間)、
国際学術誌
『ネイチャー・エイジング』に発表した。
老化を逆転させる技術は、
科学界で長年の研究テーマだった。
2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞した
日本の山中伸弥教授は、
4種類の遺伝子を用いて成熟した
細胞を初期状態に戻す
技術を開発したこともある。
しかし、
これらの遺伝子を過度に活性化すると、
細胞が本来の機能を失ったり、
がんの発生リスクが高まったりするなどの
限界があった。
そこで研究チームは、
AI(人工知能)を活用し、
老化を逆転させ得る新たな
遺伝子の探索に乗り出した。
まず、
人の皮膚細胞で遺伝子がどの
程度活発に働いているかを分析し、
細胞の生物学的年齢を推定する
AIを開発した。
その後、
老化に影響を及ぼすと予想される
遺伝子を一つずつ活性化し、
細胞がどれほど若返るかを確認した。
最も優れた効果を示したのは、
細胞がタンパク質を作る際に必要な
遺伝情報を加工するSRSF1遺伝子だった。
研究チームが老化した人の皮膚細胞で
この遺伝子を活性化したところ、
細胞老化と慢性炎症が
減少したことが分かった。
特に、
細胞は本来の機能を失うことなく、
若い細胞の特性を回復した。
研究チームは動物実験を通じ、
実際に効果があるかを確認した。
ウイルスを運搬体として利用し、
老いたマウスの肝臓に
SRSF1遺伝子を注入した結果、
全身で老化抑制効果が現れた。
遺伝子を投与したマウスは、
そうでないマウスに比べて
老衰が進む速度が44%遅く、
生存期間の中央値も14%長かった。