現在、予想されている
「ダークマターの正体」とは
この観測結果にもとづくと、ダークマターの正体が
MACHOであるという可能性は低いと言えます。
少なくとも、
目に見えないMACHOが地球や太陽に
ある日突然に衝突する、
ということはなさそうです(よかった)。
以上のことから、
ダークマターの正体は未知の粒子
ではないかと考えられています。
つまり、
無色透明(目に見えない)だけでなく、
触ることもできない(人の体も容易に貫通するような)、
たくさんのダークマター粒子が銀河系を
ハロー状に包み込んでいると思われています。
ダークマターを捉えたい
太陽系は銀河系の中を回転運動しています。
その速度は秒速220キロメートル程度です。
銀河系はダークマター・ハローに包み込まれてますから、
太陽系の中にある地球は目に見えない
ダークマターの群れの中を秒速220キロメートルで
突き進んでいることになります。
さて、
ダークマターの性質をさらによく知る方法は、
実験的に検出してみることです。
検出できれば質量やその他の性質も分析できます。
そのため、
ダークマターを検出する実験
(学術的には「探索実験」と呼ぶ)が
世界各地で行われています。

XENONnT。イタリアの地中深くにあるダークマター探索装置
しかし、
残念ながらその検出に成功した確固たる
実験証拠はまだありません。
なお、質量が変われば実験方法も変わります。
加速器を使ったものから、
巨大な放射線の検出器を地下深くに設置したもの
(写真「XENONnT」参照)、
電波の計測技術を使ったもの、などなど、
いろいろな手法があります。
そのため、
さまざまな工夫をこらしたアイデア勝負で
世界中の研究者たちが切磋琢磨(せっさたくま)しており、
筆者もまたそうした研究に没頭している一人というわけです
(なお、『宇宙のはじまりと素粒子』では、
ダークマター検出の実験をご紹介しているので、
ぜひ読んでみてください)。