一般的に年齢が高くなるほど、
普段の体温が下がってきます。
生活習慣病や三大疾病、認知症など、
年齢とともに気になる病気や症状、
不調は、
血行不良や身体の冷えが原因のひとつです。
冷えをとることで、
それらの予防に役立ったり、改善されたりします。
人生100年時代、健康で長生きするためには、
冷えのコントロールが重要です。
この記事では、
冷えとり、温活などの健康法の
第一人者である川嶋朗医師による、
冷えとり健康法の決定版
『人生100年時代の冷えとり大全120』
(著者:川嶋朗/Gakken)から
一部を抜粋して紹介します。
今回のテーマは『がん――傷ついた
遺伝子の修復に冷えは大敵!』。
がん――
傷ついた遺伝子の
修復に冷えは大敵!
遺伝子が傷つけられ、
日常的に生まれているがん細胞
人間のからだには約37兆に及ぶ細胞があります。
その細胞の遺伝子は、
紫外線やウイルス、活性酸素、
ダイオキシンなどの刺激によって
日常的にダメージを受けていますが、
ダメージを受けた遺伝子は
酵素の働きによって修復され、
がん細胞にならずに済んでいるのです。
この酵素が最も活発に活動する
体温が36.5~37度といわれています。
しかし、体が冷えて低体温になっている場合、
酵素の働きが低下してがんのもとになる
遺伝子の修復が間に合わなくなります。
また、
からだが冷えているとリンパ球の免疫力が弱まり、
がんを発症することになってしまいます。
精神的なストレスも交感神経を優位にして
からだを冷やすため、
免疫機能に悪い影響を及ぼします。
副交感神経を優位にするためには
からだを温めてリラックスすることが大切になります。
酵素の働きを活発にして
免疫力をアップするには体温を上げること
がん細胞が増殖しやすいのは低体温の状態です。
また、
がん細胞を攻撃して消滅させる白血球の一種
「リンパ球」は低体温では働きが鈍りますし、
遺伝子の修復に役立つ酵素も低体温では、
働きが低下してしまいます。
脇の下で測ったときの平熱が36.5度以上になるよう、
からだを温めることがとても大切なのです。
冷え対策として効果的なのはぬるめのお湯につかること。
38~40度程度のお風呂に、
少なくとも10分以上、
可能なら30分程度、つかって全身を温めましょう。
古くから日本には、温泉や薬湯に入り、
患部を温める「湯治」という習慣がありますが、
それも温めることでリンパ球を増やし、
免疫力を高める方法なのです。
そのほか、
腹巻きや湯たんぽなどを使って
からだの外から温めることも効果的です。
ポイント
・平熱を上げて白血球の一つ「リンパ球」や酵素の働きを高める
・ストレスをためず、副交感神経を優位にしてリラックス
・腹巻き、湯たんぽなど、外側からもからだを温めよう

