大人になってからは、
愛情不足で育ったことによる具体的な
問題行動として表れることがあります。
なお、
ここでいう「問題行動」は“性格の欠陥”ではなく、
安心感を得られなかった心が、
自分を守るためにとった行動が
形を変えて現れていると考えます。
恋愛での依存や、深い関係から逃げる
安心感の基盤が弱いと、
恋人に強く依存したり、
相手を束縛してしまう傾向が見られます。
逆に「傷つくくらいなら距離を取ろう」として、
深い関わりを避ける人もいます。
どちらも「見捨てられたくない」という
不安が根底にあります。
承認欲求が非常に強くなる
「自分は認められたい」という気持ちが強くなり、
仕事やSNSで成果や評価を過度に
追い求めてしまうことがあります。
一時的に安心できても、
すぐにまた次の評価を求めるため、
心が落ち着きにくくなるのが特徴です。
感情を適切に表現できず
人間関係を構築しにくい
寂しさや不安を言葉で伝えるのが苦手で、
代わりに怒りや無関心といった形で
表れてしまうことがあります。
本当は「分かってほしい」
という気持ちがあるのに、
それを伝えられず人間関係が
ぎくしゃくしてしまうケースです。
お酒やギャンブルなどに頼りやすい
心の空虚感や不安を埋めるために、
お酒やギャンブル、
ゲームなどにのめり込みやすい人もいます。
短い間は気がまぎれますが、
繰り返すことで自己嫌悪や生活の
乱れにつながることもあります。
心療内科医に聞く「やってはいけないストレス解消法」ワースト3
度を越えて頑張りすぎてしまう
「失敗したら見放されるのでは」という不安から、
完璧を目指しすぎてしまうこともあります。
その結果、頑張りすぎて疲れ果ててしまう、
いわゆる燃え尽きの状態に陥りやすいのです。
体の不調が多い
ストレスや不安をうまく表現できない場合、
体に不調として現れることもあります。
たとえば、寝つきが悪くなる、
胃腸の調子を崩す、頭痛が増えるなど、
心の問題が体のサインとして出るケースです。

まだ手遅れじゃない!
大人になってからできる
前向きな対処法とは
過去を変えることはできなくても、
これからの自分を少しずつ変えていく方法はあります。
今からすぐできる具体的なことをまとめます。
朝の「ひと声ポジティブ」を習慣にする
起きてすぐ鏡に向かって、
「今日もやれる」「昨日より少し進めばOK」など、
自分にとってうれしい一言をつぶやいてみましょう。
誰かからかけられた嬉しい一言や、
心が温かくなった言葉でも構いません。
好きな漫画や芸能人から聞いたフレーズでもOK。
繰り返すことで心の軸が整いやすくなります。
不安や孤独を感じたら「スマホメモ」に書く
頭の中でモヤモヤさせると大きくなりますが、
文字にすると気持ちが客観視できます。
「今日は連絡が来なくて不安」
「ちょっと寂しい」など、短文でOK。
後で読み返すと「意外と小さな不安だった」
と気づけることもあります。
“ながら運動”をしてみる
本格的な筋トレを始めなくても、
歯磨き中にかかとの上げ下げ、
通勤のときに一駅歩くなど
“ながら運動”で十分です。
身体を動かすとストレスが軽減することが
研究からも分かっています。

信頼できる人と
「自分の気持ちを話す機会」を設ける
友人でも同僚でも構いません。
1週間に1回は「自分の気持ちを話す機会」
を持ちましょう。
LINEやSNSでもよし。
専門家のカウンセリングサービスでもOKです。
安心できる相手と継続的につながることで、
「一人じゃない」という感覚が積み重なります。

眠る前に「3つのよかったこと」を書く
その日あった小さなことを3つ書き出すだけ。
「コーヒーが美味しかった」「上司に褒められた」
「天気が良かった」など、何でもOKです。
自己否定が強い人でも
「意外と良いことがある」と気づけ、
眠りも深くなります。
母親からの愛情不足が
「マザコン」へと変化することもある?
「母親からの愛情不足」と「マザコン」は
正反対に見えますが、
実際には問題の根っこが同じ
(安心感の欠如)であることも考えられます。
母親から十分な愛情を
得られなかった男性の中には、
「母親に認められたい」
「愛されたい」という気持ちを大人になっても抱え続け、
そのために母親の顔色をうかがい、
過剰に依存してしまうという
行動パターンが表れることがあります。
もっと欲しかった愛情を求め、
大人になってから母親に
しがみついてしまうケースがあるのです。

大人になった今、
母親とどう向き合えばいい?
もう母親に振り回されない
最後に、
現在の母親に対してどのような
接し方や考え方をするとよいか、
見ていきましょう。
中には母親に悪い感情を
抱いている人もいるかもしれません。
心のどこかで「満たされなかった愛情を
今こそ欲しい」と
期待してしまうこともあるかもしれません。
その気持ちはそれ自体が“悪い”わけではなく、
自然な反応でしょう。そのうえで、
少し心を軽くしたいときのポイントを
いくつかお送りします。
「過去の親」と「今の親」を分けて考える
「親は変わらない」という
現実を受け入れることと、
過去を変えることはできませんが、
今、どういう距離感で接すると自分が
傷つかずに済むかは選べます。
無理に許さなくていい
怒りや悲しみは自然な感情なので、
否定しなくていいです。
許せないなら、許せないままで構いません。
ただ、その感情に支配されすぎて、
自分の人生が動かなくなるのはもったいないので、
接し方や今からできる対策を行うなど、
“憎しみに支配されない”ことが大切です。
親を変えようとしない
「今ならわかってくれるかも」という期待は
自分を再び傷つけることも。
期待は手放しましょう。
心理的な距離を取ってもいい
連絡を減らす・会わないなども
自分を守る行動をしましょう。
それは冷たいことではなく、
むしろお互いにとって有効なことです。
癒しは自分の内側から始まる
母との関係にこだわる背景には、
「自分は価値がある存在だ」と
感じたい欲求があります。
でも、その答えを母親に求め続ける限り、
心は不安定なままです。
「本当はこう言ってほしかった」を自分自身や、
自分の大切な人にかけてあげてください。
