「気付いたら髪が抜けていた」… 「円形脱毛症」本当に知ってる? 全身の毛が抜けることも。


2024/8/29

「気付いたら髪が抜けていた」… 「円形脱毛症」本当に知ってる? 全身の毛が抜けることも。

 
 
 
 
 
 
 
 

「気付いたら髪が抜けていた」…

「円形脱毛症」本当に知ってる?

全身の毛が抜けることも。

誤解や偏見の多い病

 

 
 
 
 「ヘアロス」という言葉を知っていますか? 
 
言葉通り、脱毛症などで髪の毛を失うことを指します。
 
 
 
よく耳にする「円形脱毛症」は代表的な脱毛症のひとつで、
 
誤解や偏見の多い疾患でもあります。
 
 
 
髪だけでなく全身の毛が抜けてしまうこともあり、
 
 
 
 

ヘアロスは外見に大きく影響することから

精神的ダメージも少なくありません。

 

当事者は生きづらさを抱えていたり、

周囲に伝えづらくひとりで悩んでいる

場合が多いのが現状です。

 

円形脱毛症について、

脱毛症外来のある東京医科大学の

入澤亮吉先生に伺いました。

 

 

 

円形脱毛症とは? 

全身の体毛が抜けてしまうことも

 
 

円形脱毛症は、

頭髪などに”円形の脱毛斑

(脱毛がみられる部位)”ができる病気です。

 

「10円ハゲ」をイメージする方が多いでしょうが、

小さな脱毛斑だけが円形脱毛症ではありません。

 

小型の脱毛斑が1個だけの「単発型」から、

頭髪全体あるいは全身の毛が脱落してしまう

「重症型」までさまざまなタイプがあり、

症状によって分類されています。

 

 

 

●単発型 

小型の脱毛斑が「1個のみ」のもの。

多くは放置しておいても自然治癒します。

 

 

●少数多発型 

脱毛斑が「複数」で、脱毛斑の脱毛範囲が

「25%未満」の症例に適用される病名。

 

 

●多発型 

脱毛斑が「複数」で、脱毛斑の脱毛範囲が

「25%を超える」もの。

 

 

●蛇行型 

頭髪の生え際に、

帯状に脱毛を生じるもの。難治。

 

 

●全頭型 

脱毛の範囲がおおむね「全頭」、

長期間症状が固定しているもの。

 

 

●汎発型 

脱毛の範囲が「全頭以外にまゆ毛、

まつ毛を含めた全身」に拡大し、

長期間症状が固定しているもの。

 

 

●急速進行型 

急速に全頭から脱毛が始まり、

短期間に脱毛範囲が全頭に及ぶもの。

その後急速に回復傾向に向かうことも少なくない。

 

 

円形脱毛症の原因は? 

ストレス? 実は「原因不明」

 
 

円形脱毛症の原因は、いまだにはっきりとしていません。

 

毛球部に対する「自己免疫疾患」と言われています。

 

本来はからだを守る免疫の働きが異常をきたし、

リンパ球が自身の毛包を攻撃してしまうことで

毛が抜けてしまうと言われています。

 

 

 

円形脱毛症は人口の0.1~0.2%に発生すると言われ、

一生のうちに円形脱毛症になる確率は1.7%。

 

男女差はほとんどなく、

どの年齢層にも発症します。

親子や兄弟姉妹で発症することも。

 

まれに難治化し、

頭髪だけでなく、まつげやまゆ毛、

その他全身の毛が抜けることもあります。

 

円形脱毛症は橋本病などの甲状腺疾患、

尋常性白斑、全身性エリテマトーデス、

潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患が

合併することもあります。

 

また、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、

アレルギー性鼻炎といったアトピー疾患を

合併することも知られています。

 

 

ストレスは「原因」ではなく、

「誘因」のひとつと推定されています。

 

肉体的疲労や感染症も一種のストレスですが、

誘因のひとつと考えられます。

 

一方、精神的ストレスが円形脱毛症の

誘因になるかどうかについては

賛否があるところです。

 

「自分が弱いから」と自身を責め、

一層つらくなる人もいるようですが、

そのような無駄な考えは捨てましょう。

 

 

 

※日本皮膚科学会
「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」
に基づいた診療
※病院によって、
治療法が異なることもあります

 

 

<参考:>

監修:東京医科大学病院皮膚科、入澤亮吉先生

 

 




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