冷えと乾燥の原因は同じ!
血行を促す習慣で同時に改善

この時季に多くの人が悩む「冷え」と「乾燥」。
実はどちらも、
毛細血管が消失する
「ゴースト化」による血行不良が原因です。
「血液のめぐりが悪くなると体が冷え、
基礎代謝が落ち、
肌の新陳代謝も衰えます。
また、
栄養や水分が全身に行き渡らなくなり、
肌の乾燥も引き起こします。
つまり、ゴースト血管が回復すれば、
冷えと乾燥を同時に解消することができるのです」と、
温活にも詳しい石原新菜(いしはら・にいな)先生。
そのカギが「Tie2」の活性化です。
「ヒハツ(※)などを摂る他、運動や
入浴などが効果的です。
また、
冷え、乾燥は風邪と感染症の大好物。
改善すれば予防にもつながります」
※ ヒハツは「ナガコショウ」とも呼ばれ、
スーパーのスパイスコーナーなどで
パウダー状のものが販売されています。
冷えと乾燥を放置するとこんな症状が...
<冷え>
□ 内臓機能の低下
□ むくみ
□ 自律神経の乱れ
□ 下痢
□ 便秘
□ 頭痛
□ 肥満
□ 肩こり
□ 不眠...など
<乾燥>
□ 肌の炎症
□ 湿疹
□ かゆみ
□ しわ
□ アトピー性皮膚炎
□ 乾皮症(皮脂欠乏症)
□ 乾燥性皮膚炎
□ 免疫力の低下
□ 感染症の罹患...など
共通の原因はゴースト血管


ゴースト血管とは
血液が流れなくなり、
衰えて消えた毛細血管のこと。
毛細血管は全身の血管の多くを占め、
体のすみずみまで酸素や栄養を届ける
重要な役割を担います。
ですが、
太さ0.01mmの微細な血管なので、
年齢を経るごとに衰えて消失し、
その状態を「ゴースト化」といいます。
ゴースト血管を回復させる
注目の酵素Tie2(タイツー)
「Tie2」は、
毛細血管の内側の内皮細胞にある酵素。
毛細血管は「内皮細胞」と、
それを外から覆う「壁細胞」の二重構造で、
加齢などによりこの2つの細胞の
結び付きが弱まると、
毛細血管に隙間ができ、
ゴースト化します。
「Tie2」は細胞同士をしっかり結び付けて
隙間を埋め、
毛細血管を強化させる働きを持ちます。
<まずはこの3つから始めましょう>
(1)ヒハツジンジャールイボスティー

ヒハツ、ルイボスは「Tie2」を活性化させる植物。
ルイボスティーにヒハツと、
体を温めるしょうがを加えるのがおすすめ。
ヒハツと同じ働きを持つシナモンを加えても。
「血流を促すヒハツやシナモンは
白湯に入れるのも」
(2)手足ぽかぽか運動

「手足が冷たい」と思ったら、
体の末端の毛細血管まで
血液が行き渡っていないサイン。
放置するとゴースト化してしまいます。
手足をパタパタ10秒ほど動かせば、
血流が回復し、
酸素や栄養も届いて
肌の新陳代謝も促進します。
(3)41℃の塩風呂に10分

湯船に入ると毛細血管が広がり、
血液が循環。天然塩をひとつかみ入れると、
ミネラル分が体を芯から温め、
肌にベールを作って保湿・保温効果も。
長風呂や熱いお湯は逆に
乾燥を招くので注意を。
入浴後はすぐ保湿しましょう。
<他にこんなことも効果的>
(4)24時間365日、腹巻

石原先生は24時間365日、
腹巻を愛用。
体の最大の免疫器官である
腸などの内臓を温めると、
血流が促されます。
「保温・保湿効果を高めるため、
腹巻は地肌に直接着けるのがベスト。
肌に優しいシルクなど、天然素材のものを」

発酵食品は腸内環境を改善し、
内臓の血流を促進。
特にみそは、
毛細血管を強くするリノール酸や、
肌の保水力を高める
「グルコシルセラミド」が豊富。
1日2杯を2週間飲み続けると、
肌の水分量が1.4倍になったという研究報告も。
(6)暖房は22℃前後、湿度は50~60%

エアコンを使う場合、
羽根の向きは下向きにし、
暖かい空気を下へ。
サーキュレーターで空気を循環させると、
部屋全体が均等に暖まります。
「部屋が暖まると湿度が下がり、
肌が乾燥する原因に。
加湿器を併用しましょう」
(7)「三首温め」&「頭寒足熱」

体表近くに動脈・静脈が走る首、
手首、足首を温めると、
全身が温かく。
むやみに厚着をせず、
保温グッズなどで温めましょう。
服装は「頭寒足熱」を意識。
レギンスやひざ掛けなどで
下半身を温めると、
全身の血流が高まります。