太古の氷河にまつわる発見、 複雑な生命の進化解明する 手掛かりに 新研究


2025/3/13

太古の氷河にまつわる発見、 複雑な生命の進化解明する 手掛かりに 新研究

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

太古の氷河にまつわる発見、

複雑な生命の進化解明する

手掛かりに 新研究

 
グリーンランド沖に浮かぶ氷山/Joe Raedle/Getty Images/FILE

グリーンランド沖に浮かぶ氷山

 

 

(CNN) 今から5億年以上前、

氷に覆われた極寒の地球上では、

氷山が複雑な生命体の材料となる物質を

かき混ぜる役割を果たしていた。

 

 

そうした動きは大地の鉱物が氷山によって切り崩され、

海洋に沈められることで発生した。

 

新たな研究が明らかにした。

 

巨大な氷山が凍った大地を覆いながら徐々に移動し、

氷結した海洋へ向かう場合、

それらの氷山は下方にある大地をこすり上げ、

地殻から岩石を削り取っていた。

 

 

最終的に氷山が融解する際には、

陸地由来の化学物質が大量に海洋に

放出されたと研究者らが報告している。

 

この「氷山の箒(ほうき)」によって大地から

払い落とされた鉱物が海洋の化学組成に変化をもたらし、

 

海中に栄養素を注入。

 

これらの栄養素から複雑な生命の進化が形作られた

可能性があると、

研究者らはみている。

 

 

新原生代として知られるこの太古の極低温期は、

約10億年前から5億4300万年前まで続いた。

 

 

当時の地球の状態は

「スノーボールアース(全球凍結)」とも形容される。

 

当時存在した複数の陸塊は一つに結びついて

ロディニアと呼ばれる超大陸を形成した後、

 

再び分裂した。微生物やシアノバクテリア、

海綿動物、

 

海底に暮らす有機物といった地球最古の

生命体は海洋に生息していた。

 

新原生代が終わった後には、

より複雑な生命体が登場。

 

身を守る殻やとげを持った海洋生物が初めて現れた。

 

 

 

科学者らは従来、

この進化の急展開について、

地球の大気や海水上部に含まれる

酸素の増加に原因があると考えてきた。

 

 

しかし25日刊行のジオロジー誌に掲載された

研究論文では、

 

太古の氷河の流れが直接海洋中の

化学変化を形成した可能性があると示唆。

 

 

海洋中の化学変化は、

生命が複雑系へと進化する上で

極めて重要だったとしている。

 

 

氷河の動き、

もしくは氷河作用は、地表の堆積(たいせき)物を削り取り、

海洋や湖、川へ運ぶことで知られている。

 

これが水中における食物網の基礎を形作る。

 

しかし、太古の地球を専門とする研究者らにとってはこれまで、

新原生代の氷河がそもそも動くのかどうかさえ

明確ではなかった。

 

ましてや氷河の動きがその下にある大地を削り、

鉱物を海へ運ぶほどのものなのかどうかは

さらに確証がなかった。

 

 

 

特徴的な玄武岩柱が立ち並ぶスタファ島は、スコットランド・ヘブリデーズ諸島を形成する島の一つ/Markus Keller/imageBROKER/Shutterstock
 

特徴的な玄武岩柱が立ち並ぶスタファ島は、
 
スコットランド・ヘブリデーズ諸島を形成する島の一つ
 

 

豪カーティン大学の地球・惑星科学教授で、

論文の筆頭著者も務めたクリス・カークランド博士は、

同僚らと共にその答えを英国のスコットランドと

北アイルランドで見つけた。

 

 

彼らはそこで新原生代当時の

岩石層に含まれる堆積物を調査。

 

その数百万年後に訪れる「温室地球」時代の

堆積物と比較し、

 

両者の鉱物の組成が劇的に

異なっていることを突き止めた。

 

 

カークランド氏はCNNへの電子メールで、

「本質的に、これらの堆積岩のDNAが

変化したということだ」と強調した。

 

 

この発見は、

活動的な氷河作用という概念を

「ある程度」補強するように思えると、

ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の

地質学教授、

グレアム・シールズ博士は指摘する。

 

 

シールズ氏は今回の新研究に関与していない。

ただ同氏がCNNへの電子メールで

明らかにしたところによると、

当該の研究にはスノーボールアースの

終わりを告げたマリノアン氷期と呼ばれる

大規模な氷河時代のデータが含まれていないという。

 

同氏はまた、

氷食作用を複雑な生命の進化に直接結び

つけることにも慎重な姿勢を示した。

 

 

新原生代の終わりにかけて、

海洋化学に起きた変化の一つとして

知られるのはウランの増加だ。

 

過去の研究では、

これを大気中に酸素が増えた結果だと説明していた。

 

「しかし我々のデータが示唆するところでは、

海洋に元素が流れ込んだこともまた、

この現象に関して一定の役割を果たしている」と

カークランド氏は主張。

 

現在は陸地と海洋の環境におけるこうした変化を

マッピングし、

元素の移動を地球規模のシステムとして

描き出す作業に取り組んでいるという。

 

 

科学者らは7億2000万年前から6億3500万年前の

間に大規模な氷河作用が

少なくとも2度発生したと報告している。

 

新原生代の終わりまでに地球を覆う氷は融解し始め、

大掛かりな化学組成の移行が

地球の大気と海洋で起きていたという。

 

 

米ハーバード大学で地球・惑星科学を専攻する

アンドルー・ノル名誉教授は電子メールで

CNNの取材に答え、

 

新原生代の氷河作用が栄養物の供給を通じて

初期の生物進化を促したとする発想は

以前から存在するとしつつ、

 

氷河作用によって海洋に流れ込んだ

鉱物の量が生物学上の影響を伴う長期的な

環境変化をもたらすほどのものだったのかどうかは

依然として疑問の余地があるとの認識を示した。

 

 

過去には氷河作用の影響について

一時的なものに過ぎなかったとする

研究も発表されたとノル氏。

 

今回の新たな発見に関しては

「興味深い点を議論に加えた」と評価しながらも、

「議論自体は今後も続いていく」と語った。

 
 
 

 

<参考:>

 

 

 



最新記事
月別
ブログトップに戻る

TOPページに戻る