1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
あなたなら出来ます応援しています
Rupan by サロンディレクターNao
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2025/1/24
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神話が崩壊する… 「じつは、脳は10%しか使われていない」 の真実…SFで描かれる以上に 「衝撃に満ちていたリアルの脳」 |
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神話が崩壊する…「じつは、脳は10%しか使われていない」の真実…SFで描かれる以上に「衝撃に満ちていたリアルの脳」1963年に創刊されて以来、 「科学をあなたのポケットに」を合言葉に、 これまで2000冊以上のラインナップを 世に送り出してきたブルーバックス。
その名も「ブルーバックス通信」。 どうぞお楽しみください!
「Nature」に論文が載るくらいうれしい 「ブルーバックスから本を出すのは 『Nature』に論文が載るのと同じくらいうれしいことです」
こちらこそうれしくなることを言ってくださる 続く4冊目のブルーバックスは、 これまでの本格路線から一転しての変化球。
第1章の章扉に載っている文言を見るだけで、 早くも頭がクラクラします。
〈宇宙空間に一人取り残されてしまった ジェイムスン教授は、 近くの惑星に文明が発生するのを待った〉
な、な、なんという状況! 教授、辛抱強いにもほどがあります!
これは米国のSF作家ニール・R・ジョーンズが 1932年に著した『二重太陽系死の呼び声』 という作品の一節で、
自身の死後、 死体を人工衛星に保存させたジェイムスン教授が、 4000万年も宇宙空間を漂ってようやく異星人に発見され、
彼らと同じ手が6本、 足が4本という姿で脳はそのままの、 いわばサイボーグとなって復活するという物語です。
宇宙空間に一人取り残されてしまった ジェイムスン教授の話から始まる とてつもないSFオタクじつは櫻井先生、 とてつもないSFオタクで、90年も前のそんな“怪作”をはじめ、 本書では50作ほどのSF作品の名前が、 「記憶の書き換え」「意識のデータ化」 「潜在能力の開発」「心をもつAI」 などのテーマごとに湯水のように出てきます。
たとえば近年、 櫻井先生自身が大きな研究成果をあげた 「人工冬眠」も、SFでは宇宙旅行に欠かせない アイテムであり、ロバート・A・ハインラインの 名作『夏への扉』とともに実現性が検証されています。
それにしてもSFは、 設定が奇想天外で面白い。
いままでほとんど読んでこなかったのが悔やまれます。 なかでもアーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』は、 破滅の危機に瀕した地球人が、 高度な知的生命体に導かれ、
「個」としての存在を捨て、 「意識」の集合体となって宇宙と一体化する、 というとてつもなく壮大な物語で、
櫻井先生もお気に入りで本書の 「裏テーマ」にもなっているようなので 担当者も読みはじめました。
アーサー・C・クラーク(右の人物)。 左は、映画化された『2001年宇宙の旅』で、 監督をつとめたスタンリー・キューブリック監督
しかし悲しいかな、 話は本当に面白いのですがいろいろ邪魔が入って、 なかなか進みません。
やがて先生から「私も、もう一度読みはじめました!」 とうれしそうなメールがあり、
しばらくすると、 さすがに読み終えただろうと思われたのか、 ネタバレ含みの感想メールが次々と……。
やむなくいまは、 先生からのメールには目を極力あけず、 その部分を見ないように対応しています。
『攻殻機動隊』や『火の鳥』も登場担当者としては、『攻殻機動隊』(士郎正宗)、 『火の鳥』(手塚治虫)という 2つの作品が複数のテーマに またがって言及されていることにも、 日本の漫画の先見性はすごいんだなあと感じ入りました。
そして最も意外だったのは、 ジャン・レノ主演の映画『LUCY』の モチーフともなっている 「脳は10%しか使われていない」といういわゆる 「脳の10%神話」は、 完全に否定されるということです。
なんと脳は、 どんな小さなタスクを処理するときも ほとんどすべての領域を使っていて、
それどころか「ぼけーっとしているとき」も、 全領域を使って全力で 「ぼけーっとしている」というのです。
そう聞くと、 SF脳よりもリアル脳のほうが面白い、 とも思えてきます。
そのほか、 「時間」とは脳がつくった幻想ではないか、 という神経学者の立場からの提唱も、 じつにスリリングで必見です。
SF小説で一番のおすすめは?ところで、 SF小説で一番のおすすめは何ですか、 と先生に聞いてみたところ、 「たくさんありますが、 とりあえずはジェイムズ・ホーガンの 『星を継ぐもの』をおすすめします!」とのこと。
この作品はご存じの方も多いと思いますが、 じつは担当者も読んだことがありました。
でもそれは有名だからではなく、 講談社に同期入社した友人がSFファンで、 自分がいちばん好きな本として勧めてくれたからでした。
彼とは同期では最も親しい間柄で、 最もたくさん酒を飲みました。
しかし、 担当者はその本を読まないまま、 彼は10年前に病で亡くなりました。
そのあと遅まきながら読んでみて、 感銘を受け、 彼と感想を語り合えなかったことを悔やんだものでした。
もとい、 本書では櫻井先生がChatGPTに 「将来、AIが自意識をもって人類を 攻撃する可能性はあるか」 と尋ねたり、
「あとがき」ではご自身がショートSFを書いたりと、 もはやこの本自体が、 SFとリアルのはざまを行き来しています。
この『SF脳とリアル脳』という本自体が、 SFとリアルのはざまを行き来する
最後には、 私たちのリアルな脳の弱みとともに強みも 理解でき、 これからは目いっぱい使ってみたくなること、 うけあいです。
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