「巨大ヒョウで人が死ぬ」
「東京湾は熱帯魚だらけ」…
生き残るのが困難すぎる
「地球沸騰期」
国連のグテーレス事務総長は、
もう半世紀近く問題視されている
ヒョウで人が死ぬ
地球沸騰期がもたらす被害のひとつに、
考えるだけでもゾッとしてしまう
異常気象がある。ヒョウの「巨大化」だ。
「地表から上空に上がった水蒸気は氷になり、
落ちるときに溶けて雨になります。
ただ、温暖化でさらに地表が熱くなると
強い上昇気流が発生するため、
落ちてくる氷は溶ける前に再び水蒸気を纏って
上に戻される。
これが何度も何度も繰り返されるうちに
ヒョウがどんどん巨大化するわけです。
具体的には野球ボールや缶コーヒーくらいの
大きさのヒョウが降る可能性が高いです」
京都大学フィールド科学教育研究センター
准教授の伊勢武史氏が語る。
「海面温度が変化することで魚の
回遊パターンは変わっていくでしょう。
冷たい水を好む北方の魚はさらに北上し、
熱帯魚の生息地域が
北に延びていくかもしれません」
そうなると、サケやサンマ、スルメイカといった
魚介類が日本では獲れなくなり、
簡単に手に入らなくなるだろう。また、
今は沖縄のような南国にだけ
生息しているようなカラフルな熱帯魚が、
東京湾を埋め尽くす。
「世界的に寒い海が少なくなることで、
漁獲量が激減する海産物が多数出ます。
ウニや昆布といった海産物の価値がぐんと上がり、
食卓にのぼりづらくなるかもしれません」
『日本沈没』
が絵空事ではなくなる
2050年、食卓に並ばなくなってしまう
食べ物は山のようにある。
コーヒー豆の産地は半減すると予測されているし、
チョコレートの原料であるカカオに至っては
絶滅するという研究まで報告されている。
とりわけ私たちの生活に直結するのは、
パンやパスタ、ラーメンの原料である
小麦の生産に関する予測だろう。
小麦は、ほかの3大穀物であるトウモコロシ、
コメと比べると暑さにひときわ弱い。
そのため、気温上昇で2050年までに
世界の小麦の収穫高は23~27%減少する
恐れがあると、
国際食料政策研究所(IFPRI)は指摘しているのだ。
急速に温暖化が進行していることを踏まえると、
予測よりも遥かに不作となり、
小麦が高級品になっていてもおかしくはない。
また、地球温暖化は南極大陸や
グリーンランドなどの氷河や氷床を溶かし、
海水面を上昇させてしまう。
IPCCの予測によると、
2050年には海水面が40cm近く
上昇する見込みで、
日本では半分の砂浜が消滅する。
洪水や高潮のリスクも高まるため、
他のエリアでも人が住むことは困難になる。
当然ながら、
湾岸のタワマンでの生活は絶望的だろう。
技術が進んで産業革命が起こる一方、
地球は「沸騰期」に入り、
世界では第三次世界大戦が
勃発するかもしれない。
有史以来、
最大級の変化が2050年までに
訪れることを覚悟して、
生きてゆかねばならない。