世界一貧しい国の大統領の地球環境問題の言葉 | |
世界一貧しい国の大統領の地球環境問題の言葉】 この星・地球の為に… それは 2012年6月 ブラジルで行われた 国連主催での環境会議のひとコマだった 議題は人間はどうしたらこれからも発展しながら 環境を守っていけるのかというもの 「持続可能な発展」 各国代表のスピーチが行われる中 小国ウルグアイ代表の演説など注目するものは ほとんどいなかった。 そんな中静かに壇上に上がったのがホセ・ムヒカ スピーチはごく当たり前の各国代表への感謝に始まった、 この場に出席されている世界各国の代表の皆さん ありがとうございます。 お招き頂いたブラジル国民、そして大統領閣下に 感謝いたします。 これまでに発言された全ての方々が表明された 誠意にも大いに感謝いたします。 一国家指導者として 貧しい人々のための取り決め作りに 仲間として共に参加することを表明いたします。 しかし私たちもいくつか声高らかに質問する ことをお許し願いたい。 今日の午後ずっと 私たちは「持続可能な発展」と「膨大な数の貧困者対策」 を話し合ってきました。 けれど私たちの本音はなんでしょう? 今の発展を続けることが本当の豊かなのでしょうか? 質問させてください もしドイツ人がひと家族ごとに持っているほどの車を インド人もまた持つとしたら 私たちが呼吸できる酸素は残されるのでしょうか? もっとはっきり言いましょう、 例えば、最も裕福な西側諸国とおなじようなレベルで 70億、80億の人々に消費と浪費が許されるとしたら それを支えるだけの資源が今の世界にあるのでしょうか? それは可能なのでしょうか? それとも別の議論が必要ですか? 今のこの文明を作ったのは私たちです、 私たちは市場と競争社会から文明という 落とし子を生み出し、 物質面での驚異的な進歩をもたらしました、 そして市場経済は市場社会を作り出し それを世界規模に拡大してしまいました。 いわゆるグローバリズムです。 そのグローバリズムを私たちはコントロールできていますか? 逆にコントロールされてはいないでしょうか? こんな残酷な競争で成り立つ社会で 「みんなで世界を良くしていこう」なんて議論が 本当にできるのでしょうか? 私たちは本当に仲間なのですか? 私は今回の会議を否定するために言っているのではありません、 違います、逆です。 我々が今挑戦しようとする目の前の巨大な困難は 決して環境問題ではなく、明らかに政治の問題なのです。 人類は今消費社会をコントロールできていない 逆に人類の方がその強力な力に支配されているのです。 我々は、発展するためにこの地球上にやってきたのでは ありません。 幸せになるためにやってきたのです。 人生は短くあっという間です しかしその人生こそが何より価値あるものです、 余計なものを買う為にもっともっと働いて 人生をすり減らしているのは消費が社会の モーターとなっているからです。 なぜなら、消費が止まれば経済がマヒしてしまい 経済がマヒすれば不況というお化けが我々の目の前に 姿を表します。 しかし今この行き過ぎた消費主義こそが地球を 傷つけ,さらなる消費を促しています。 商品の寿命を縮め、できるだけ多く売ろうとする 今の社会は1000時間もつような電球は作っては いけないのです、 本当は10万時間、20万時間ももつ電球はあるのに そんなものは作らない、 なぜなら我々はもっと働き、もっと売るために 「使い捨て文明」を支える悪循環の中にいるからです、 これは政治問題です、 我々は今までと違う文化の為に闘い始めなければならない 石器時代に戻ろうとは言っていません、 このままずるずると 消費主義に支配されるわけにはいかない 私たちが消費主義をコントロールしなければ ならないと言っているのです。 ですから、私はこれが政治問題だと言いました とても謙虚な思いからです。 かっての賢人たち エピクロスやセネカそしてアイマラ人たちは 次のように言っています、 「貧しい人とは少ししかものを持っていない人ではなく もっともっとといくらあっても満足しない人のことだ」と 大切なのは考え方です。 だからこそ、 皆さんと共にこの会議に参加し 国家指導者として皆さんと共に努力したいのです。 私の発言は皆さんを怒らせるかもしれない しかし、気づかなくてはいけません。 「水問題」や「環境の危機」が ことの本質ではないということです。 見直すべきは我々が築いてきた文明の在り方であり 我々の生き方です。 なぜそう思うのか、 私は環境に恵まれた小さな国の代表です、 人口は300万人ほど いやもうちょつと、320万人ほどしかいません けれど世界で最もおいしい牛が1300万頭 また素晴らしい羊が800万から1000万頭 食べ物乳製品そして肉の輸出国です、 国土の90%が有効に使えるほど豊かな国なのです。 だからかって私の仲間たちは8時間労働のために闘い ついには6時間労働を勝ち取った人もいます。 しかしそうなったらこんどは仕事を2つ持つようになりました, なぜか? たくさんの支払いがあるからです、 バイクにマイカーのローンを次から次へと 支払ううちに、 私のようなリュウマチ持ちの老人になって 人生が終わってしまう、 そして、自分に問いかけるのです。 これが私の一生だったのかと、 私が言っているのは基本的なことです 発展は幸せの邪魔をしてはならない。 発展は「人類の幸せ」「愛」「子育て」 「友達を持つこと」 そして 「必要最低限のもので満足する」 ためにあるべきものなんです。 なぜなら、それこそが一番大事な宝物だから、 環境のために闘うのなら一番大切なのは、 人類の幸せであることを忘れてはなりません。 「ありがとう」 |