痛いところを強く揉んだり、
伸ばしたりするのは逆効果
稲村さんによると、
足や膝、腰などの「なかなか治らない慢性の痛み」は、
身体が起こしている防御反応なのだそう。
痛みは身体を守るために
脳が発している警告サインです。
そのため、痛いところを強く揉んだり、
無理にストレッチしたりすると、
脳の感覚センサーがダメージを受けてしまうんだとか。
すると脳は「もっと守らなければ」と過敏になり、
過剰な防御反応を引き起こして
筋肉をさらに硬くしてしまうといいます。
これが「脳の誤作動」となり、
頑固な凝りや慢性の痛みを生み出していると、
稲村さんはおっしゃいます。
脳を安心させるには、
皮膚を「つまんで、ひっぱる」
では、脳の誤作動を解除するには
どうすればいいのでしょうか。
そこでカギとなるのが、
東洋医学と「皮脳理論」に基づいたアプローチ。
人間は胎児の発生段階で、
皮膚と脳神経系が同じ細胞から分裂してできるため、
皮膚は「むき出しの脳」と呼ばれるほど
密接につながっています。
そのため、
痛い場所には触らず、
少し離れた場所の皮膚を「つまんで、
引っぱる」「ずらす」といったやさしい刺激を与えます。
すると、
皮膚からダイレクトに脳へ「もう守らなくて大丈夫」
という信号が伝わり、
筋肉がゆるんでいくのです。
慢性の腰痛には「お腹をつまんで、
ひっぱる」のが効く
デスクワークや家事で腰痛に
悩む方にぜひ試してほしいのが、
「お腹をつまむ」ケア。
運動不足や年齢とともに、
身体の前側(お腹側)の筋肉は
縮んで硬くなりがちです。
お腹側が縮むと、
後ろ側にある腰の筋肉が常に
引っぱられた状態になり、
この過度な緊張が慢性の
腰痛として現れやすくなります。
この場合、
縮んで硬くなったお腹の皮膚を
ゆるめてあげるのが一番の近道。
お腹の脂肪ごと皮膚をつまんで引っぱるだけで、
脳への刺激が伝わり、
腰が軽くなる感覚が得られるんだそう。
実践!お腹の皮膚をつまんで、
ひっぱるセルフケア
具体的なステップはとても簡単です。
【1】「脂肪」ごとつまむ
手の親指と残りの指で、
お腹の皮膚を「縦」に寄せるようにつまみます。
お腹が柔らかい場合は、
皮下脂肪ごとつまんでOKです。

【2】3秒間キープして離す
お腹をやさしくつまんだら、
そのままわずかに引っぱり、
3秒間キープします。
その後、
パッとつまんでいた指を離して脱力しましょう。
もし痛みがある場合は、
無理に引っぱらずにつまむだけでも大丈夫です。
だんだんと筋肉がゆるみ、
脳の防御反応の誤作動がリセットされます。

【3】お腹の「正中線」をつまむ
おへそを通る体の真ん中のラインが「正中線」です。
このラインを胸あたりからおへそまで、
数回に分けて縦につまみ、
3秒間キープしては離します。
お腹の正中線が縮むと背中が丸まりやすいため、
ここをゆるめると、
猫背の改善や腰を真っすぐに伸ばす助けになります。

【4】「乳首ライン」をつまむ
左右の乳首から、
縦に垂直に下りた2本のラインを指します。
両手でこのラインを上から数回に分けて縦につまみ、
3秒間キープしては離します。
下着をつけていてもケアの効果に支障はありません。
ここをゆるめると腰の側面や、
腰の片側だけが痛む場合にも効果的です。
③の正中線と併せて行うと、
腰全体をカバーできるのでおすすめです。

腰を叩いたり揉んだりするよりもずっと安全で、
家事の合間やリラックスタイムに
手軽にできるセルフケア。
身体にやさしい刺激で脳をリラックスさせ、
痛み知らずの身体を目指しましょう!
<参考: 稲村崇>