【甘酒】血行を促進する
優れた働きがあり
三叉神経痛を改善
顔を洗ったり、歯磨きのたびに顔が痛む……。
つらい三叉神経痛は、
顔の感覚を脳に伝える働きをする三叉神経に、
なんらかの障害があったために
引き起こされる痛みです。
脳幹から出た神経は、
目神経、上顎神経、下顎神経の三枝に
分かれることから三叉神経と呼ばれ、
顔の皮膚、口内の粘膜、
歯と歯茎の知覚をつかさどります。
三叉神経の痛みの多くは、
上顎神経の支配する領域に集中し、
頬や目の下、鼻や口のまわりに現れます。
針で刺すような、
あるいは電気ショックのような激しい痛みが
瞬間的に引き起こされ、
顔の片側のみに生じる特徴があります。
ほとんどの場合、洗顔、ひげそり、化粧、
食事、会話、あくび、くしゃみなど、
ささいな刺激が原因となって痛みが誘発されます。
痛みは数時間で治まる場合もあれば、
数日から数カ月間、
断続的に続くケースもあります。
50歳以降に発症することが多く、
微小血管による神経の圧迫が
原因とされていますが、
脳腫瘍、帯状疱疹、
三叉神経周辺の炎症
(虫歯、副鼻腔炎、中耳炎など)から
起こるケースも。
シニアの場合、
加齢によって動脈が屈曲し、
三叉神経の根元を圧迫することで
痛みが増強しがちです。
適切な治療を行うとともに、
食養生を見直して対策を図りましょう。
中医学において、
神経痛をはじめ筋肉や関節に
痛みを生じる状態は「痺証(ひしょう)」と
言われています。
「痺」とは「ふさがって通じない」という意味で、
体内を分布する人間のエネルギー源である「気」、
栄養成分となる「血」、
体液である「水」の通り道である
「経絡」がふさがってしまうと、
痛みが引き起こされるのです。
神経痛の場合は、冷えや湿気などが
原因で経絡がふさがり、
血の巡りが滞ることによって痛みが
発生する場合が多く見られます。
改善のためにはまず、
血行を促進する食材を摂り入れましょう。
おすすめは甘酒。
栄養学的にも「飲む点滴」といわれるほど
滋養強壮によく、
血行を促進する優れた働きがあります。
また、気や血を補って疲労回復にも役立ち、
身体を温めて冷えを解消にも役立ちます。
薬膳においてもまさに、
「スーパーフード」なのです。
甘酒はドリンクとしてだけではなく、
調味料として使うのもおすすめ。
発酵によるアミノ酸の効果で
素材の旨みを引き出し、
豊かな味わいに仕上がります。
塩麹などと同様に、
いろいろな料理にぜひ使ってみましょう。
三叉神経痛の改善には、
原因となる余分な体内の湿気を払うために、
水分代謝を高める食材を併せて
取り入れるのがおすすめです。
利尿作用を高めるトウモロコシや
黒豆などと組み合わせるとよいでしょう。
■甘酒高齢薬膳レシピ
鶏肉と黒豆、コーンの中華風甘酒スープ
血行を促進する甘酒、
水分代謝をアップする黒豆とトウモロコシを
組み合わせたレシピ。
甘酒の効果で鶏肉が柔らかく、
旨みもアップします。
ほんのりした甘みで癒される味わいのスープです。
【材料】2人分
●鶏もも肉 100g
●ゆで黒豆 50g
●コーン缶(140g) 1/4缶
●ねぎ 1/4本
●クコの実 大さじ2
●しょうが 少々
●A(甘酒=大さじ2、鶏がらスープの素=少々)
●ごま油・塩・こしょう 適量
【作り方】
フライパンにごま油を熱し、
みじん切りにしたしょうがを炒め、
香りが出たら一口大に切った鶏肉も入れて
火が通るまで炒める。
水2.5カップを入れて熱し、
アクをとったら、A、黒豆、コーン、クコの実を
入れて火を弱め5分ほど煮る。
塩・こしょうで味を調える。