「マーガリンは体によくない」→ ではなぜ日本で売られている?


2024/10/26

「マーガリンは体によくない」→ ではなぜ日本で売られている?

 
 
 
 
 
 

「マーガリンは体によくない」→

ではなぜ日本で売られている?

 

「マーガリンは体によくない」→

ではなぜ日本で売られている?

 


人生100年時代は、健康こそ最大の資産です。

しかし40歳を越えると、がん、

糖尿病、腎臓病といった病気を避けては通れません。

 

国立がん研究センターによれば、

40~49歳のがん患者数は、

30~39歳と比べると3倍以上です

(2020年)。

 

もちろん50代、60代と年齢を重ねるにつれ、

がん患者数はどんどん増えていきます。


本連載は、毎日の食事から、

大病を患ったあとのリハビリまで、

病気の「予防」「早期発見」「再発予防」を学ぶものです。

著者は、

産業医×内科医の森勇磨氏。

 

「マーガリンは体によくない」→ではなぜ日本で売られている?

 

 

マーガリンが体によくない理由

 
 

マーガリンが好きで、

朝食でパンに塗る習慣がある人も

多いでしょう。

 

しかし、

実はマーガリンは現在アメリカでは

「販売禁止」になっています。

 

 

マーガリンに含まれる

「トランス脂肪酸」が体に悪影響を

及ぼしているというエビデンスがあるためです。

 

 

このトランス脂肪酸とは、

クッキーやドーナツを作るときの

材料になるショートニング、

そしてファーストフードなどにも含まれています。

 

マーガリンは高価なバターの

代替品として「人造バター」

という名称で販売されました。

 

植物油から作られるので、

動物性脂肪から作られるバターよりも

「健康によさそう」というイメージで

どんどん普及していきましたが、

研究ではまったく逆の結果が出てしまいました。

 

 

トランス脂肪酸は体に悪い

 

トランス脂肪酸を摂取することで

LDL(悪玉)コレステロールが増加し、

HDL(善玉)コレステロールが

低下したというデータがあります(※1)。

 

LDLの増加も、

HDLの減少もどちらも心筋梗塞や

脳梗塞につながる「動脈硬化」を

進行させますので、

相乗効果で体に害を及ぼします。

 

 

また1日に摂取するエネルギーのうち

2%をトランス脂肪酸として摂取することで、

心筋梗塞などの心臓病に罹患するリスクが

16%も上昇したというデータもあります(※2)。

 

他にも「糖尿病になりやすくなった(※3)」

「認知症になりやすくなった(※4)」

といった研究も存在し、

「トランス脂肪酸はさまざまな意味で

体に悪い」と決着がついています。

 

 

WHOは2023年までに、

「食品に含まれるトランス脂肪酸の

一切の根絶」という方針を掲げました。

 

 

ここまで強い呼びかけをWHOが

行うのは異例です。

 

現在その方針に従ってアメリカ、カナダ、

台湾、タイなどの国では

トランス脂肪酸の使用を禁止したり、

シンガポールや韓国では食品の

トランス脂肪酸の含有量の表示を

義務付けたりしています。

 

 

では、

なぜ日本では販売されているのでしょうか?

 

 

なぜ日本で売られている?

 
 

日本ではどうでしょうか。

 

禁止はおろかトランス脂肪酸の

含有量の表示も義務付けられていません。

厚生労働省の主張は次のとおりです。

 

 

「1日の摂取エネルギーの中で

1%以上摂取すると健康上の影響が

出現するといわれている

トランス脂肪酸に対して、

 

日本人の平均摂取量は0.3%程度。

健康上問題はない」

 

 

言い換えると「海外と違って

日本人は普段から大して

トランス脂肪酸を摂取していないから、

規制しなくてもいいでしょう」

ということでしょう。

 

 

また、トランス脂肪酸に関連する

日本のマーガリン・ショートニングの市場は大きく、

大企業も関係してくる話なので、

 

完全に禁止するのは

ハードルが高いのかもしれません。

 
 
 
マーガリンからトランス脂肪酸の
 
含有量を減らそうと努力している
 
企業もあります。
 
 
 
例えばミヨシ油脂では
 
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の量を
 
約10分の1にするなど、
 
めざましい成果が出ています。
 
 
 

しかし、

国ではなく「個人」の選択として考えると、

トランス脂肪酸の害は確実に

意識しておくべきです。

 

含有量の記載があれば、

個々の食品に対して明確な対応が

とれるのですが、

 

表示義務が課されていないのが

日本の現状です。

 

 

少なくとも「マーガリン、

ショートニング、ファーストフードといった

トランス脂肪酸が含まれていると

見込まれる食品を食べすぎないようにする」

という対策は確実に行うようにしましょう。

 

 

 

40歳からの予防医学

 

医者が教える「病気にならない知識と習慣74」

 

医師の森勇磨(もり・ゆうま)と申します。

 

 

40歳からの予防医学 告知情報

 

 

現代は医学情報があまりにも多すぎます。

残念ながら、「正しい情報」と「でたらめな情報」

がごった煮になっており、

かつて私が勤務していた救急現場でも、

 

・スポーツドリンクやエナジードリンクに

糖分が多く含まれていることを知らずに飲みすぎて、

重篤な糖尿病になった人

 

・がん検診を受けず、根拠のない民間療法に頼り、

「急な体重減少」や「血便」といった症状を

放置して、末期がんの状態で来院される人

・心不全の初期症状を放置した結果、

 

肺に水がたまってしまい、

すぐに人工呼吸器をつけなければ

数十分で死に至ってしまう状態で

救急搬送されてきた人

 

 

病院の「外」でできることを

しなかったがために、

 

人生が大きく変わってしまった

人をたくさん見てきました。

 

 

「病院の外で、やるべきことがあるのではないか?」

という思いから、

 

私は現在「予防医学の実務家」

と呼ばれる産業医の仕事をしながら、

YouTubeなどのSNSを通じて

予防医学の情報発信をしています。

 

ありがたいことに、チャンネル登録者数は27万人を超え、

「予防医学を専門とした情報発信者」としては、

日本一の実績を持っています。

 

 

日本が抱える「医療制度の課題」とは?

 

「病気になってからの」病院へのアクセスのしやすさ、

国民皆保険制度による医療費負担の軽減など、

日本の医療制度は世界トップクラスです。

 

しかし、

「病気になる前の」予防医学のアプローチは

十分にできているといえず、課題が多いのです。

残念なことに、今の日本では、

個人個人を病気にさせないことで

対価が発生するしくみがうまく機能していません。

 

40歳を越えると、親の介護がのしかかってくる

 

40歳を越えると、「両親の介護」も頻繁に話題にあがってきます。

親世代は65歳を越えていて、

免疫機能が落ち、筋力や骨も弱くなっています。

1回の感染や転倒・骨折などでQOL(生活の質)

が著しく低下する年代です。

 

本書は「親世代(65歳以上)の健康寿命を延ばす」

「介護・寝たきり状態にならないための知識」

も充実させました。

ぜひ親子でシェアしてください。

医学的エビデンスの中での「正解」の行動がとれるよう、

とにかくわかりやすさ、

行動へのつなげやすさを意識しました。

あなたの日々の行動に影響を与えることができれば幸いです。

 

 

40歳からの予防医学 告知情報
 
 
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<参考:産業医×内科医・森勇磨氏> 



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