毎朝の1杯は白湯より◯◯!
水にアレを入れるだけで
免疫力がアップするってホント?
ご本人が自覚できていることは
非常に少ないのですが……。
なんと日本人の約70%は水不足。
そして、ほとんどの人がミネラル(塩)不足です。
私たちの体は「ミネラル水」、
つまりミネラルが含まれた水分で
満たされています。
細胞レベルで見ても、然りです。
「細胞内液」にはカリウム、
「細胞外液」にはナトリウムが
多く存在しています
(カリウムもナトリウムも、
どちらもミネラル成分ですね)。
細胞の内と外が「浸透圧」を一定に保つことで、
人体の健やかさは保たれ、
生命が維持されます
(「浸透圧」とは、
濃度の異なった2種類の液体を
となり合わせに置いたとき、
互いに同じ濃度になろうとする
力のことを言います)。
ミネラル豊富な「塩」が不足していては、
免疫が高く保たれ、
エナジーフローが整うはずがありません。
これほど大事なミネラル分(=塩)なのですが……。
残念ながら、
多くの日本人は摂取量が
不足しがちの傾向にあります。
そこに加えて、
日本は世界的に見ると「蒸し暑い国」で、
汗を多くかきます。
つまりミネラルが体外へと排出されてしまいやすい。
だから塩をよほど積極的にとらないと、
免疫が低下し、
体の状態はどんどん悪くなってしまいます。
もし「ミネラル」が足りなくなると、
人体はいったいどうなるのでしょうか?
恐ろしいことに、
飲食からとるミネラルが不足すると、
体は手持ちのミネラルを使おうとします。
体、つまり骨を溶かし、
そこからミネラルを補おうとするのです。
そのような状態では免疫が下がり、
さまざまな不調が引き起こされるのは、
言うまでもありません。
起床直後にミネラル水を飲むメリットは、
まず就寝中の脱水状態を解消できること。
そして、
活発に排泄が行われる
「朝の体の働き」が、促されることです。
「僕
は、朝は〝コーヒー派〟なんですよ。
コーヒーもミネラル水も、どうせ同じ
"水分〟だから、
『朝1杯のコーヒー』でも同じような
効果が期待できますよね?」
残念ながら、
答えはノー。コーヒーには
「カフェイン」という利尿作用のある成分が
含まれています。
ですから、コーヒーに含まれる水分を
体内に取り込むことができても、
その後、
カフェインとともに体外に尿として
排出されることに。
つまり、「コーヒーでの水分補給」は難しく、
脱水状態の改善には不適なのです。
「では、市販のミネラルウォーターを
コップに1杯ではどうですか?」
そう聞かれることもありますが、
一般的な「水」だけでは力不足です。
理由は「ミネラルウォーター
(ピュアな水)には塩が入っていない」から。
就寝時の発汗では、
大量の水分と「電解質」(イオン)が
失われることがわかっています。
電解質とは、
水に溶けると電気を通す物質のこと。
主な電解質としてはナトリウム、カリウム、
カルシウム、マグネシウム……。
つまり「ミネラル」の仲間が挙げられます。
電解質は細胞の浸透圧の調節や、
筋肉細胞の働き、
神経の伝達などの生命活動に
深く関係しています。
体内の電解質の濃度(塩分濃度)が下がると、
筋肉が収縮してけいれんや筋肉痛、
足のつりなどが起こることがわかっています。
そのような状態で水だけをとると、
血液中の電解質の濃度は
より一層薄まってしまいます。
すると「電解質の濃度を一定に
保たなければ」と体が判断し、
電解質の濃度を上げるために
水分を尿として排出してしまうのです
(このような現象を「自発的脱水」と呼びます)。
のどの渇きがおさまっても、
体温が上がるなど、
体に異変が起こるというわけです。
つまり、
起床後の「1杯のピュアな水」は
「かえって危険」なのです。
塩を足したミネラル水を飲めば、
水も塩(電解質)も同時に効率よく摂取できます。
キーとなるのは、その濃度。
「血液中の塩分(0.9%)と同程度だと、
水分が最も吸収されやすく、
体内にとどまりやすい」とされています。
適度な濃度のミネラル水をとることで、
細胞の外の脱水
(主に血液中の水分が少なくなること)や、
細胞の中の脱水を防ぐことができるのです。
使用する「水」は、
純粋な「水」(できればミネラルウォーター)
であることが大事です。
「塩」は「自然塩」「天然塩」を選んでください。
良い水と塩を揃えたら、
1lの水に1〜2g
(塩2g=小さじ3分の1よりやや少なめ)
の塩を溶かします。
これを1日2lを上限に、
小分けにして飲みましょう。
つまり、ミネラル水からとる塩の1日の摂取量は、
2〜4gです。
良質のミネラル豊富な塩は、
とりすぎた場合は体外に排出されます。
また、
水に塩を完全に溶かさない
状態でも効果は期待できます。
心臓疾患や腎臓疾患のある方、
高血圧の方、60歳以上の方は、
最初は塩を規定量
(1lの水に1g)の4分の1にしてください。
体調に異変がなければ、
3週間後に「1lに1g」になるよう、
徐々に増やしてみましょう。
※ミネラル水の1日の摂取量の上限は2lです。
この規定量はお守りください。
※「1日2l」の常飲を続けて3週間経っても
「お腹が張り続ける」という
違和感が常にある場合は、
念のために、中止されることをおすすめします。
※腎臓病など疾患のある方は、
主治医に必ず確認・相談のうえ、
摂取を始めてください
日本人は、水不足、塩不足です。
昨今、減塩ブームではありますが、
塩に対する誤解も多く見られます。
天然の塩に含まれている良質な
ミネラルが足りないことで、
病気も増えているのです。
私たちの食事に欠かせない塩は、
免疫力アップのほか、体の浄化、
炎症の抑制、筋肉がつることを防ぐ、
毒素排出、血圧調整などに役立ちます。
本書では、
人が「羊水という海水」から産まれている
胎生学の観点から、
適量の水と良質な塩をとることで、
簡単にできるセルフケア法をお伝えしています。
ぜひ、
健康増進に活用してみてください。