2024/5/23
|
||||||||||||||||||||
「脳ドックを受けた方がいい人」の 特徴はご存知ですか? 発見できる病気も医師が解説! |
||||||||||||||||||||
「脳ドックを受けた方がいい人」の 特徴はご存知ですか? 発見できる病気も医師が解説!
監修医師:
脳ドックとは?脳ドックはどんな検査かご存知でしょうか。 人間ドックを受けたことはあるけど、 脳ドックを受けたことはない方も多いかもしれません。
脳に関係する自覚症状のない病気や、 将来脳の病気を引き起こす可能性のある 異常を早めに発見し、 早期治療や予防を行うための総合的な検査です。
多くの場合には脳の検査は含まれていません。
人間ドックのデータのみでは脳の病気を見つけることが 難しいため、 脳の状態を調べるためには脳ドックを 別個で受ける必要があるのです。
どんな方が受診した方が良いのかについて解説します。
脳ドックとはどんな検査?脳ドックの基本的な検査項目は、 頭部MRI検査や頭部MRA検査です。
頭部画像検査では頭部CT検査もありますが、 MRI検査の方が脳の状態を診断するためには 情報量が多いという特徴があります。
何らかの理由で頭部MRI検査を受けられない場合には、 頭部CT検査で評価することもあります。
頭部MRI検査に加えて、問診、診察、血圧、血液検査、 尿検査、心電図検査、頚動脈超音波検査、 認知機能検査などもメニューとして用意されています。
メニュー設定は医療機関によって異なりますが、 1-3時間程度の所要時間で受けることができます。
脳ドックで体の何がわかる?脳ドックでは、 脳梗塞や未破裂脳動脈瘤などの脳血管疾患、 脳腫瘍などの病気があるかどうかを調べることができます。
また、検査項目の内容にもよりますが、
脳卒中の発症リスクとなる動脈硬化や動脈狭窄、 心房細動などの不整脈があるかどうか、 高血圧や脂質異常症などの生活習慣病や 認知機能の評価も同時に行うことができます。
突然発症してそのまま命に関わることや 重い後遺症を残すことも少なくありません。
脳卒中は日本人の死因の第4位、 要介護者の原因の第1位であり、 一度の発症で人生が大きく左右されてしまう 可能性があるのです。
急に発症することが多いため、 病気を予防するためには生活習慣の改善が大切です。
将来の脳血管疾患の発症リスクを 低くさせるきっかけになることが、 脳ドックを受けるメリットの一つと言えます。
脳ドックはどこでできるの?脳ドックは、 病院やクリニック、健診センターなど 多くの医療機関によって受けることができます。
選ぶ基準に迷われる方もいらっしゃるかもしれません。
お近くの医療機関をお探しの場合には、 日本脳ドック学会が日本脳ドック学会認定施設 (https://jbds.jp/centers/)を公表しておりますので、 これを参考にしていただいても良いかと思います。
脳ドックの費用・保険適用の有無脳ドックは、 病気を発症していない人を対象とした 検査であることから保険診療ではなく、 自由診療で行われる検査です。
費用は医療機関や検査項目数などによって異なりますが、 2万円から5万円程度が相場です。
検査項目数が増えると検査費用も高くなりますが、 より詳しい診断を受けることができます。
自治体や健康保険組合などによる補助が 適用されるケースがありますので、 ご自身で利用可能か確認してみましょう。
脳ドックや当日の注意点脳ドックは基本的に予約制の検査です。
当日に急に受診しても検査を受けることができないため、 必ず予約してください。
金属を含むアクセサリーなどは外しておく 必要があります。
また、メイクをしたままであることや、コンタクトレンズや義歯、 入れ歯などを装着したままであることも避けましょう。
食事の制限はありません。
ただし、 血液検査や尿検査を含む脳ドックのメニューである際には、 空腹状態での受診を指示されるかもしれないので、 医療機関にあらかじめ確認しましょう。
脳ドックの結果の見方と再検査が必要な診断結果・所見ここまでは脳ドックについて基本的なことを紹介しました。
脳ドックの結果や数値の見方・分類と主な所見主な頭部MRI・MRA検査の結果内容と 特記すべき対応策についてまとめました。
病状を悪化させないためには生活習慣や 生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)の 改善が必要です。
脳ドックの結果で精密検査が必要な基準と内容脳ドックの結果は受診当日に専門医からの説明があるか、 後日郵送で結果が送られてくるという2パターンがあります。
郵送の場合でも後日専門医から検査結果について 説明を受けられることがあります。
自己判断せず早めに脳神経内科や脳神経外科を 受診することをお勧めします。
費用はその結果次第なので一概には言えません。
慎重に経過観察していきましょう、 と言われることもありますが、 早期の治療介入が必要という判断でさまざまな 画像検査などを行うこともあります。
精密検査に必要な検査機器がない場合もあるため、 かかりつけ医で二次検査を希望する場合には、 受診前に確認しておくと良いでしょう。
脳ドックを受けた医療機関やかかりつけ医からの 紹介状を発行してもらえるか相談すると良いでしょう。
脳ドックを受けた方がいい人の特徴40歳以上で脳ドックを受けたことがない人40歳以上から脳疾患を発症する割合が 増えてくることが知られています。
特に自覚症状がなくても一度脳ドックを受けて 現在の健康状態を確認するということをお勧めします。
脳疾患を発症した家族がいる人脳の病気になった家族がいる人にも 脳ドックをお勧めします。
成人のくも膜下出血の原因のほとんどが 脳動脈瘤の破裂です。
脳動脈瘤ができてしまう原因は遺伝的な 要因ということでは説明できず不明な部分も 多いのですが、 家族内での発症が多いということも知られています。
国際的なデータを見ると、 日本人には脳動脈瘤の発生が多めであることが 知られています。
家族の中で脳動脈瘤を指摘されたことのある人は 若年層であっても、 定期的にご自身に脳動脈瘤ができていないか 検査を受けることをお勧めします。
生活習慣病がある、大量の飲酒や喫煙をしている人脳血管疾患の発症原因には高血圧や 脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や 大量のアルコール摂取や喫煙があげられます。
これらの生活習慣を長期間続けていると、 血管壁にプラーク(粥腫)という脂肪成分の塊が 沈着し血液の通り道が狭くなる変化(動脈狭窄)や、 動脈壁が硬くなる変化(動脈硬化)が起こり、 脳や心臓の病気の原因になります。
このような血管の病的変化は加齢とともに 起こりやすくなりますが、
若年層でも発症することがあります。
一度硬くなってしまった動脈(動脈硬化)は 元に戻ることが難しいと言われているため、 このような血管がダメージを受けやすい状況にある方は、 早めに脳ドックを受けて現状の評価を行うことをお勧めします。
「脳ドック」で発見できる病気・疾患ここではMedical DOC監修医が、 「脳ドック」に関する病気を紹介します。
他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、 など病気について気になる事項を解説します。
脳梗塞脳梗塞は、脳梗塞とは脳の動脈が狭くなったり、 詰まったりすることで栄養となる血流を 受けられなくなった脳組織が死んでしまう病気です。
ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、 心原性脳梗塞、その他の脳梗塞(脳動脈解離など) という病型に分類されます。
加齢や喫煙、高血圧、糖尿病などによる動脈硬化や 末梢血管障害、不整脈や心筋梗塞などの 心疾患などが挙げられます。
片側の身体の麻痺やしびれ、 呂律が回らない症状などが出現します。
動脈が閉塞した部位によってダメージを受ける 脳組織の部位が異なることから、 脳梗塞の症状やその程度は人それぞれです。
ダメージを受けた脳組織は回復しないので 出現した症状がそのまま後遺症として残ることがあります。
脳梗塞の進行・再発予防するために血液を サラサラにさせる治療(抗血栓療法)とリハビリです。
脳梗塞を発症した直後の段階であれば、 血管を詰まらせた血栓(血の塊)を溶かす治療や 詰まった血管を再開通させる治療を行うこともあります。
この発症直後に行う治療によって 後遺症を軽減させることが期待できるため、 突然話しにくくなる、 手足の動きが悪くなるというような症状が出現した場合には、 すぐに救急車を呼んで脳神経内科や脳神経外科を 受診することが重要です。
脳出血脳出血は、 脳の血管が破れて脳組織内に出血を起こしてしまい、 脳組織がダメージを受けてしまう病気です。
血腫(出血した血の塊)が周囲の正常な脳組織を圧迫したり、 脳細胞のむくみを生じさせたりすることで、 麻痺やしびれなどの症状が現れます。
脳梗塞と同様に、 ダメージを受けや脳組織の部位によって 症状やその程度は人それぞれです。
ダメージを受けた脳組織は回復しないため、 出現した症状がそのまま後遺症になる可能性があります。
血圧が高い状態が継続すると動脈硬化が進行し やがて血管が細くなります。
その結果、血管が脆くなってしまい結果的に 血管が破れると脳出血を生じてしまいます。
動脈硬化を進ませる脂質異常症や糖尿病の 予防や禁煙といった生活習慣の見直しが大切です。
脳出血は時間の経過とともに出血が増えて 症状が悪化するケースがあります。
出血量が多いと意識障害をきたし命に関わる可能性が あるため手術で血腫を除去することもあります。
手足の動きが悪くなるというような症状が出現した場合には、 すぐに救急車を呼んで脳神経内科や脳神経外科を 受診することが重要です。
脳腫瘍脳腫瘍とは頭蓋骨の内側にできる腫瘍の総称です。 脳腫瘍は、 脳内の細胞の異常な増殖による原発性脳腫瘍(8割)と、 体内の他の部位にできた癌が転移する 転移性脳腫瘍(2割)の2つに大別されます。
初期段階では症状が現れることは少なく、 ある程度の大きさまで成長してから、 頭痛や手足の麻痺・しびれ、視覚障害、 けいれんなどの症状が現れます。
腫瘍の種類や大きさ、発生した部位によって 治療法が異なり、 経過観察や手術、放射線治療、 化学療法などが考慮されます。
症状がない段階で脳ドックなどをきっかけに 見つかるケースが近年は増えていますが、 手足の動かしにくさやけいれんが起こったなどの 症状があった場合には、 早めに脳神経外科を受診して検査を受けましょう。
くも膜下出血くも膜下出血は脳卒中の一種で、 脳の表面の血管が破れて出血し、 くも膜下腔というスペースに出血が拡がることで発症します。
くも膜下出血は非常に危険な病気であり、 最善の治療を行なっても発症した3人に一人しか 社会復帰できないと言われています。
残りの2人は死亡するか、 麻痺や意識障害、寝たきりなどの後遺症を残します。
脳動脈瘤(脳動脈の一部が膨らんで形成されたコブ)の破裂です。
比較的女性に多く、 40歳以降で多くなり加齢に従って増加します。
くも膜下出血や脳動脈瘤の家族歴があると、 動脈瘤発生の頻度が高まることが知られています。
高血圧や喫煙という生活習慣も動脈瘤破裂の 頻度を高めると言われています。
くも膜下出血を発症する原因が脳動静脈奇形という 生まれつきの脳血管異常の破裂によるものがほとんどです。
突然の激しい頭痛で、 嘔吐や意識消失を起こすことがあります。
脳動脈瘤の再破裂を予防する手術から始まります。
また、発症後2週間までは脳血管攣縮という 脳梗塞をきたす病気になる可能性があり、 発症後1-2ヶ月程度には水頭症という 認知症をきたす病気になる可能性もあるため、 これらの治療も必要です。
脳ドックなどで脳動脈瘤が見つかった場合には、 脳動脈瘤のサイズや形状により発症を予防する 目的の手術を考慮します。
複数の脳神経外科医に相談することをお勧めします。
緊急で治療を行うしかありません。
突然の激しい頭痛を感じたら、 すぐに脳神経外科を受診しましょう。
「脳ドックを受けた方がいい人」についてよくある質問ここまで脳ドックを受けた方がいい人について紹介しました。 ここでは「脳ドックを受けた方がいい人」についてよくある質問に、 Medical DOC監修医がお答えします。
脳梗塞を発症した家族がいる場合、脳ドックは受けるべきですか?村上 友太(むらかみ ゆうた)医師 家族に脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳卒中の既往がある方は、ご自身も脳卒中を発症するリスクも高いと言えます。そのため、脳ドックは1~2年に1回の受けることをおすすめします。
頭痛持ちの人は若くても脳ドックを受けたほうがいいですか?村上 友太(むらかみ ゆうた)医師 慢性的に頭痛がある場合には、年齢が若くても頭部MRI検査を一度受けておくことをお勧めします。脳ドックを受けても良いですが、頭痛外来を受診して相談することも検討してください。
喫煙量が多い人は20代・30代でも脳ドックを受けるべきでしょうか?喫煙は血管へダメージを与え動脈硬化につながることから、喫煙量が多い場合には脳血管疾患を発症する危険性が高まるため注意してください。特に、脳卒中など脳の病気がある家族がいる場合など、脳血管疾患の発症リスクがある場合には、20代や30代の若年層でも脳ドックを受けることを考慮して良いでしょう。
脳ドックの平均費用はどれくらいですか?村上 友太(むらかみ ゆうた)医師 脳ドックは自由診療であり保険適応の検査ではありません。費用は医療機関や検査項目数などによって異なり、2万円から5万円程度が相場です。基本的な検査である頭部MRI検査や頭部MRA検査に加えて、頚部超音波検査や血液検査、認知機能検査などいろいろな検査を受けると検査費用も高くなりますが、より詳しい診断を受けることができます。
脳ドックは何年おきに受診した方がいいですか?村上 友太(むらかみ ゆうた)医師 40歳以上で脳ドックを受けたことがない場合は、早めに一度受けることをお勧めします。問題なければ、1-2年に1度の受診で良いかと思います。
脳ドックを受診する際の注意点を教えてください。村上 友太(むらかみ ゆうた)医師 脳ドックは頭部MRI検査を中心として行う検査なので、MRI検査が受けられない条件に該当していないか、注意しましょう。
脳ドックを受けたほうがいいのは脳疾患の家族歴がある人や生活習慣病にかかっている人!脳ドックを受けることで、 自覚症状のない脳の病気や、 将来脳の病気を引き起こす可能性のある 異常を早めに発見することができます。
発症を予防することや病気になったとしても 早期から治療を行うことで 健康寿命が伸びる可能性があります。
数年に一度の脳ドックを受けていくことで、 健康維持に繋げていただければ幸いです。
「脳ドック」の異常で考えられる病気「脳ドック」から医師が考えられる病気は16個ほどあります。
詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
整形外科の病気
眼科の病気
脳ドックでは基本的に脳疾患の有無を評価しますが、 頭部MRI検査では首から頭の範囲を同時に評価できるため、 目や耳、頚椎の病気などの脳疾患以外の 病気を指摘されることもあります。
|
|