日本人はこのまま絶滅するのか…
2030年に地方から百貨店や
銀行が消える「衝撃の未来」
国立社会保障・
人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、
大きな話題になった。
50年後の2070年には総人口が約8700万人、
100年後の2120年には5000万人を割るという。
ただ、
多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を
本当の意味では理解していない。
そして、
どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。
ベストセラー『未来の年表 業界大変化』は、
製造・金融・自動車・物流・医療などの
各業界で起きることを可視化し、
人口減少を克服するための方策を
明確に示した1冊だ。
銀行も地方から消える
「日曜日の初耳学」では、
林修氏の熱烈オファーにより、
人口減少問題の第一人者として河合氏が登場。
少子高齢化による人口減少で沈没の危機にある
日本社会の未来とその解決策について語り合った。
まず、『未来の年表』では未来をどう予測しているのか――。
2030年には百貨店も銀行も老人ホームも
地方から消えることや、
今後東京で高齢者が増えることで
手術が半年待ちになることが紹介された。
「人口は予測ではない、
過去に行ったことの投影なんです。
だから、外れる外れないではなくて、
過去を見ればわかるんです」(河合氏)
この国の出生数が100万人を切ったのが
2016年のこと。
それから急激なペースで減り、
今年上半期の出生数は38万人となり、
1年間では75万人ほどになる
のではないかとも言われる。
これは国の予想より11年前倒しで
少子化が進行していることになる。
ポツンと5軒家」はやめるべき
東京一極集中が進み、「地方消滅」が叫ばれている。
政府は過疎地域への移住を推奨し、
空き家を安く貸すなどの対応をしている。
だが、「こうした移住政策はやめるべき」
だと河合氏は言う。
さらには、「この先、『ポツンと5軒家』はやめるべきだ」
と主張する。どういうことだろうか。
という光景が珍しくない。
そこに30代の家族が移住したとする。
10年後には高齢者が亡くなり、
若い移住者だけが残ることになる。
「ポツンと5軒家」から「ポツンと1軒家」の
状態になるのだ。
すると、わざわざ1軒のために、
電気やガスや水道を提供しないといけなくなり、
他地域のインラフの料金もアップする。実際、
2043年には水道代が1.4倍以上に
なるという予測も出ている。
「地方集住」という可能性
しかし、
地方移住にも希望はあると河合氏は言う。
現状の移住政策では一極集中を
是正できていないが、
「地方集住」という形であれば
可能性があるのではないか、と。
人が住む地域と住まない地域を
明確に分けることができれば、
そこには民間事業を残すことができるという。
最低10万人の商圏を維持できれば、
そのエリアは持続可能と言われている。
番組では秋田県が例として取り上げられた。
2015年には約102万人だった人口が
2045年には約60万人に減少。
60万人ということは10万人の商圏が6つしかない。
そうした状況となる秋田県の生き残り策は
「秋田市に全部移住するか」
「秋田県を秋田市と名乗るか」だという。
仙台と並ぶ100万都市にするために、
多少の痛みを伴ってでも大胆な変化を
していかないとこの先の変化には対応していけない。
ショッピングモールの閉店ラッシュ
人口減少による影響は、
生活に欠かせない場所にすでに現れている。
具体的には、
「2030年には大型ショッピングモールは
維持できなくなる」という事態が起こる。
見込んだお客さんが来ず、
場所によっては閉店が始まっており、
今年だけで25店が閉店しているという。
想定以上に人口減少が進んでいるのだろう。
既存の商店街が壊滅し、
ショッピングモールが閉店し、
地方には何も残らない未来の到来だ。
しかし、政治(家)は解決してくれなさそうだ。
人口減少は10年単位で取り組まなければ
いけない問題なのだが、
票にならない政策は食いつきが悪いのだという。
それでも、
今からやれば、正しく対応すれば、
豊かな日本は続けられると河合氏は語った。
高品質なものを高付加価値で売る
日本では2042年から本格的な人口減少が始まる。
人口を増加させることは難しいため、
人口減少を前提にどうしていくのかを
考えなければいけない。
人口減少時代において、
生産性・成長を維持していく経済モデルを
作ることが大事になってくる。
「まだ日本が経済大国でいられるうちに、
戦略的に縮める必要があります。
これまでの産業を維持していこうと思うと、
どこの分野も人材不足になってきて維持できません。
日本は各分野に産業があるので
、捨てるものは捨てて残すものは
徹底してよくしていくべきでしょう」
具体的には、
日本より人口が少ないドイツやフランスなどの
ヨーロッパ型を目指すべきだと河合氏は提言する。
例として挙げるのは、
自動車会社フォルクスワーゲンの
ポルシェというブランドだ。
ポルシェの昨年の売り上げは約28万台で
約50億ユーロの営業利益があった一方、
フォルクスワーゲンの売り上げは約457万台で
営業利益は約25億ユーロだった。
フォルクスワーゲンがポルシェと
同じ利益を生み出すには、
900万台近く売らねばならない。
ここから言えることは何か。
生産量も労働者も消費者も激減する日本にとって、
「高品質なものを高付加価値で売る」
というモデルを築き上げることが
急務となるということだ。