2020/9/12
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宇宙の不思議 |
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土星の衛星「タイタン」をめぐる話 ![]() あなたは太陽系に地球に瓜二つな 星が存在することをご存じだろう? 地球に酷似しているその正体は、 太陽系第6惑星「土星」を周回する 衛星「タイタン」だ。 タイタンは土星の第6惑星であり、 その大きさは土星の衛星の中で 最大である。 外観は衛星というより惑星に近い形をしており、 重力の大きさもほぼ地球と同じである。 太陽系で唯一大気を保有する衛星であり、 地球と同様、川や湖もある。 タイタンの大気を構成する主要成分は メタンと窒素であるが、 その点においても生命が誕生したばかりの 当初の地球と酷似している。 タイタンの地表には液体のメタンが存在しており、 湖の主成分はメタンである。 タイタンには炭化水素をはじめ、 生命体に必要な成分が揃っている。 地球と異なることと言えば、 表面温度がマイナス179℃と極めて低温 であること、 地表から600㎞圏内に大気が広がっている ことである。 そしてタイタンに関する驚くべき事実が、 NASAジェット推進研究所の元研究員 であり、現在仏パリ天文台に所属している ヴァレリー・ライニー氏率いる研究グループ により明らかになった。 ライニー氏らにより判明した点は主に2点である。 まず、 タイタンは45億年の歳月をかけて、 土星から120㎞離れた現在の位置まで 軌道を移動させたこと、 そして以前予想していたよりも、 ものすごい勢いで軌道を確立したことである。 一般に衛星の軌道は惑星との間に働く 重力の度合いに左右される。 地球上の海で起こる満ち引きだが、 これは惑星(つまり、ここでは地球)と 衛星(ここでは、月を指す)間に働く重力の 相互作用によってもたらされ得る現象である。 また地球が熱を帯びているのは、 地球に対して強い引力が働くためである。 それにより地球の内部に摩擦が生じ、 その結果熱が生成される。 同時に地球、月間に働く重力が変動する。 こうして月は重力に影響されて、 毎年3,8㎝ずつ地球から離れていくのである。 さて、土星とタイタンとの間にも 地球、月間に見られる現象が観測される。 タイタンにも土星を引率する力が働くが、 土星の内部で生じる摩擦は地球に比べると 微量である。 タイタンは土星から離れつつあり、 その年間の移動距離は0,1㎝ほどであると、 これまでの研究では考えられてきた。 ところが、 年間のその移動距離は地球、月間をはるかに うわまわる11㎝であることがヴァレリー・ライニー氏 らにより判明。 タイタンに纏わる常識が覆される結果となった。 研究内容の詳細については、 2020年6月8日、 国際天文雑誌「Nature Astronomy] の電子版に掲載された。 土星、タイタン間の移動距離の測定に 用いたのが、 位置天文観測および放射測定に基づく 2通りの手法である。 位置天文観測に基づく手法では、 星やその他の天体の位置や働きを 正確に測定することができる。 例えばタイタンと、その周辺のにある 天体との位置的関係については、 NASAの探査機「カッシーニ」が この手法で確認済みである。 ![]() 一方の放射測定に基づく手法とは、 可視光線などの電磁放射線を測定する 方法を指し、 カッシーニがタイタンの傍を通る時、 その速度を算出するようになっている。 これはタイタンの重力の測定において 画期的な方法だ。 ガッシーニの速度を把握することで、 タイタンがガッシーニに対して重力の 影響力を及ぼし得るかを確認する ことができる。 タイタンの移動を巡っては、 2016年、カリフォルニア工科大学の ジム・フラー助教授が論文を投稿している。 ヴァレリー・ライニー氏らにより得られた知見は、 フラー助教授らが出した結論と一致している。 「相反する2つの手法を駆使することで、 我々は完全に納得のいく結果に たどり着くことができた」 とライニー氏はコメントしている。 ![]() 宇宙の世界は未知で溢れている。 宇宙についての明白の理として想定 されていたことが実は間違いであった ということは十分にあり得る話だ。 ディーププラニングという革命的ツールが 誕生した2016年以降、 さまざまな領域での活用を見据えた AI開発が世界の大学や企業、 研究所により進められている。 今後、AIという文明の賜物によって 真の宇宙が解明されていくになるだろう。 1喧嘩はするな、 2意地悪はするな、 3過去をくよくよするな、 4先を見通して暮らせよ、 5困っている人を助けよ、 |
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