地球の人口は増加傾向にあり、2050年には90億人に
達すると言われている。
人口が増え続けた結果、今以上に消費活動が活発になることが 予想される。
そうなった場合、想定されえるのが街中、至る所が無数の ゴミで溢れかえる未来だ。
中でも近年しきりに取り上げられるようになったマイクロプラスチック 問題、
最近では多くの観光客で賑わう奈良にて、 生息する鹿14頭中9頭の胃の中からレジ袋や
包装用ビニール袋が検出されるというニュースが 報じられている。
さらに、ここ数年のタピオカブームに乗じて、
街中にはプラスチック容器のゴミが散乱している 状況である。
これを受けマクドナルドをはじめとする大手ファーストフード チェーン各社などはプラスチックごみ対策に乗り出している。
そんな中、スマートシティ構想を推進中のインドでは、
ゴミ問題を解決する担い手として電池式の人力車が 注視されている。
インド紙「タイムズ・オブ・インディア」の報道によると、
インド中部のマディア・ブラデーシュ州のボパール・スマートシティー
開発社はゴミ収集用の人力車に電池を追加した電池式の
人力車を生み出すことを発表。
中国と共に経済発展が目覚ましいインドでは年々、
大気汚染の問題が深刻化しているが、
CO2排出量を減らすというもう一つの狙いがあるという。
今回、公表された新モデルはボパール・スマートシティー開発社から
分岐したイノベーションセンター「B-Nest」が開発したもの。
各世帯を訪問し、ゴミを収集することが可能であるという。
既存のゴミ収集車では実現し得なかった手法であることは言うまでもない。
ちなみに1回の充電で60㎞の距離を走行可能。
ボパール市内の40拠点を巡回するには十分な性能である。
そのうえ、総重量400~500キロのゴミを処理場まで運搬可能であり、 その費用対効果の高さは注目に値する。
イスラエルでもごみ収集車のスマート化は進んでいる。
環境系スタートアップGreenQはコンピューターやカメラ、センサーを
搭載した「グリーントラック」ボックスをごみ収集車に設置することで、
ごみ収集のプロセスの完全自動化を目論んでいる。
「グリーントラック」へ送信。
万が一ごみ収集を逃してしまったり、ごみの量が標準よりも 多すぎたり、もしくは異なるルートを走行している場合には、
警告が送られる仕組みになっている。
こうして、より効率の良いごみ収集のスケジュールに 関する立案を実行可能である。
中国・上海でもすでに同様の取り組みがなされている。
同市嘉定区のYingxin Sanitation社は、ごみ収集に関する プロセスがアップロードされたコミュニテイー監視プラットホーム
「XinCheng Roan Community」を構築。
同社に勤務する担当のごみ収集員は収集日の朝8時、 ダッシュボード上を確認。
その後、出先に赴き8時30分よりごみ収集業務を開始する。
約7600リットル、重さにして約2,9トンのごみを計10ヶ所のゴミステーション
にて収集し、クリーンセンターへ運んでいくという一連の作業を 1時間46分で完了する。
現時点では、ごみ収集・運搬をモニタリングすることで、 より正確なごみ分別を実現可能となっている。
最終的に同社は一つ一つのごみの価値を見出し、 全てのものを有効利用するという構想を思い描いている。
ごみが存在する場所は陸上だけではない。
近年、取り沙汰されているマイクロプラスチック問題だが、
海に存在するプラスチックごみを海の生き物が誤飲し、 窒息死するというケースが後を絶たない。
そんな中、海洋のマイクロプラスチック問題に対処すべく
立ち上がったのが、オランダの若手起業家ボイヤン・スラット氏だ。
スラット氏は多数の海洋ゴミが散乱する「太平洋ゴミベルト」
と呼ばれる海域に「Ocean Cleanup」を浮かべ、
プラスチックごみを回収するプロジェクトを発動。
その第一弾として2018年9月8日、カルフォルニア沖にて
プラスチックごみの回収を行った。
最新テクノロジーによるごみ削減に向けた取り組みには
今後も注目される。
<参考:BEAUTY&ECOONE>
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