コウモリの驚異的な免疫力、 ヒトの老化防止に応用も  米大などの研究チームが解明


2026/9/14

コウモリの驚異的な免疫力、 ヒトの老化防止に応用も  米大などの研究チームが解明

 
 
 
 
 
 
 
 
 

コウモリの驚異的な免疫力、

ヒトの老化防止に応用も 

米大などの研究チームが解明

 
 
 
 
 
ヒトの健康への手がかりを握っている
 
可能性がある長寿遺伝子を持つコウモリ
 
 

コウモリは、

その体の大きさに比して

最も長寿な哺乳類であり、

 

ウイルスに適応し、

防御力を高める能力を持っている。

 

 

科学者たちは現在、

コウモリのウイルスへの抵抗力や、

がんを予防する能力から、

 

ヒトが何かを学べるかどうかを

突き止めようとしている。

 

 

学術誌「ネイチャー」に掲載された新たな研究は、

これらの動物が長寿や病気との闘いについて

何を教えてくれるかを調査した。

 

その結果、コウモリが老化を遅らせ、

ウイルスを許容する能力は遺伝的に

結びついていることが明らかになり、

 

同じ生物学的な「トリック」が

感染症と加齢による

衰えの両方からコウモリを

守っていることが示唆された。

 

 

「コウモリは、この驚異的な適応能力、

病気に対処する驚異的な能力、

そしてがんを予防する驚異的な能力を

進化させてきた」と、

 

カリフォルニア大学バークリー校の

研究著者である

フアン・マヌエル・バスケス氏は語る。

 

 

「つまり、他の哺乳類にはない、

コウモリがこれらすべてのことを行うために

どのように進化してきたかを理解することで、

 

ヒトの病気を引き起こす通常の

事象に対処するための、

 

まったく新しく予想外の方法を

見つけることができるということだ」

 

 

研究のため、

バスケス氏はさまざまな種のコウモリを捕獲し、

 

生検(バイオプシー)を行ってから

放すために旅をした。

 

同氏は現在、32種を代表する259個体からの

細胞培養物を保有している。

 

 

同氏は、

哺乳類の中で長寿と病気への

抵抗力に関して最も極端な適応をしている

ことで知られるホオヒゲコウモリ属(Myotis)の

コウモリに焦点を当てた。このグループでは、

 

ブランドホオヒゲコウモリ(Myotis brandtii)が

最長42年生きることができる。

 

 

がんとウイルスを防ぐ

「生物学的トリック」

 

研究チームは、

八つの異なる種の高品質な遺伝子地図を

作成することで、

 

これらの動物が生き残るために使用している

特定の生物学的な「トリック」を特定した。

 

 

最も重要な発見の一つは、

長寿のコウモリががんを予防する方法を

進化させていることだ。

 

 

例えば、

トビイロホオヒゲコウモリ(Myotis lucifugus)は、

破損した細胞が害を及ぼす前にそれらを

除去する強化された能力を持っている。

 

 

この一例が、

PKRと呼ばれる特定の免疫因子だ。

 

ほとんどのホオヒゲコウモリ属の種は、

より広範なウイルスと戦うために、

この遺伝子の余分なコピーを進化させている。

 

 

コウモリは人獣共通感染症の

宿主(リザーバー)として機能する。

 

つまり、

自身は病気にかかることなく、

ヒトにとって危険なウイルスを保有できる動物だ。

 

これを可能にする能力は、

「ウイルス許容(ウイルス耐性)」として知られる

専門的な進化戦略の結果である。

 

 

研究によると、

ほとんどの哺乳類は病原体を

排除しようとすることで

 

ウイルスと戦う「抵抗性」を使用するが、

コウモリは高いレベルの

ウイルス許容を進化させてきた。

 

 

コウモリは、

通常であれば他の哺乳類を死に至らしめるような、

有害な炎症や細胞ストレスを抑制する

メカニズムを開発しており、

 

これによりウイルスが体内で

共存することを可能にしている。

 

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の

パンデミックなど、

 

ヒトでの集団感染の原因となる

RNAウイルスに対して、

コウモリは免疫遺伝子の数を変化させ、

 

防御を広げるために余分なコピーを

進化させる傾向がある。

 

 

ヒトの医療への応用

 

コウモリはがんや細胞の衰えといった

問題に対する自然な解決策を開発してきたため、

 

これらの同じプロセスがヒトでどのように

管理され得るかを理解するための

ロードマップを提供している、

と研究者らは述べている。

 

 

バスケス氏は、

コウモリが病気にかかることなく

長生きするように

進化したことは、

 

加齢に伴う病気と感染症を完全に別個の

分野として捉える必要が必ずしも

ないことを示唆している、

と指摘した。

 

 

「私たちはこれらのコウモリを観察し、

ウイルスを撃退するために免疫システムを

向上させることができるのと同じように、

 

高齢になっても免疫システムが低下しないように

向上させることができるかどうかを

理解しようと試みることができる」と同氏は述べた。

 

 

「あるいは、コウモリは、

免疫システムが疲弊しないように

腫瘍を撃退する方法を見つける手助けを

してくれるかもしれない。

 

それは、

人生の他のストレスに対処し、

免疫力を使い果たさずに済む可能性がある」

 

 

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