血管は、
全身に酸素や栄養を運ぶ
「命のインフラ」とも言えるもの。
人は血管とともに老いると言われるほど、
その健康状態は寿命やQOLに直結します。
今回は医学博士の栗原 毅(くりはら・たけし)先生に、
血管を若返らせる習慣やスロースクワットを
教えていただきました。
どれも簡単に日常に
取り入れられるものばかりなので、
ぜひお試しください。
血流アップ&血管が若返る新・カラダ習慣

血管を若返らせるために
欠かせないのが運動習慣。
とくに、
下半身から心臓に血液を戻すポンプの
役目をしている「ふくらはぎ」を
動かすことが大切です。
無理をする必要はなく、
簡単な運動と重炭酸温浴でOK 。
毎日の習慣にすることで、
血管がどんどん若返ります。
スロースクワットで血流&代謝アップ
ゆっくりとイスに座るだけ ふくらはぎを意識して
「血流を促すために、
運動の習慣はとても大切。
でも、長時間歩いたり、
ジョギングしたりを毎日行うのは厳しいですよね。
ぜひ習慣化してほしいのが、
家の中で無理なくできる『スロースクワット』。
場所を取らずに運動できますし、
短時間で太ももやふくらはぎを鍛えることができます」
やり方
(1)イスの前に立って背筋を伸ばし、
胸の前で腕を組みます。

(2)お尻をイスに向かって突き出すようにし、
4秒かけてひざを曲げます。
太ももの裏が座面につく直前で止め、
10秒間キープ(難しい場合は、
できる範囲で)。

(3)10秒経ったらイスに座り、
足の力を抜いて10秒間休憩。
その後、
ゆっくりと立ち上がります。
慣れてきたら(1)~(3)を5回繰り返す。

かかと上げでふくらはぎを刺激
足の裏も一緒に刺激して血管に良い効果を
「第二の心臓と呼ばれる『ふくらはぎ』の筋肉が落ちると、
血流が悪化し血管に負担がかかります。
全身の筋肉の7割は、
下半身に集中しているもの。
ふくらはぎをはじめ、下半身の筋肉を保つことが、
健康な血管を維持するために欠かせません。
かかとを上げ下げするだけでも効果的。
気付いたときに行うよう、習慣づけましょう」
ふくらはぎを鍛えると、こんな効果も
疲労の回復
血流が良くなることで、
疲労物質が溜まりにくくなり、
足が疲れにくくなります。
自律神経の安定
ポンプ機能の改善により全身の細胞に
酸素と栄養が届き、
自律神経が整います。
やり方
足をそろえ、
背筋を伸ばしてイスの後ろに立ち、
ひじを伸ばして、背もたれに手をつきます。
4秒かけてかかとを上げ、
4秒かけて床から1cmくらいのところまで
かかとを下げます。

手足ブラブラで毛細血管を活性
毛細血管を増やすために手足をしっかりブラブラ
「体のすみずみにまで酸素と栄養を届けるために、
重要な役割を果たしているのが毛細血管。
筋肉が減るとこの毛細血管が劣化し、
消えてしまうことがあります。
毛細血管の機能を高めるには、
左の『手足ブラブラ体操』が効果的。
両手両足を天井に向けてしっかり動かし、
血液の循環を促しましょう」
毛細血管が元気になるとこんな効果が
シワや乾燥肌の改善
全身の細胞へ酸素と栄養の供給がスムーズに行われ、
新陳代謝が活性。薄毛、シミ、くすみなど
美容面での効果も期待できます。
免疫力がアップ
毛細血管には、免疫細胞を運ぶ役割も。
免疫細胞がスムーズに体内を
移動できるようになることで、
感染症のリスクが下がります。
やり方
(1)床などに寝転び、
両手と片足を天井に向けて上げ、
ブラブラと30秒間動かします。
足を入れ替えて、同様に30秒間行います。

(2)両手と両足を天井に向けて上げ、
30秒間ブラブラ。
終わったら手足を下ろしてリラックス。

シュワシュワの重炭酸温浴で
お風呂時間を血管ケアに
「お風呂に浸かると血管(静脈)に圧力がかかり、
血行が促進されます。
その効果をさらに高めるのが重炭酸温浴。
炭酸水素イオンが皮膚から血管に浸透し、
一酸化窒素(NO(エヌオー))を産生。
このNOが血管壁に働きかけて血管を拡張。
血管を柔軟にすることが分かっています。
重炭酸温浴用の入浴剤は簡単に作れるので、
ぜひ習慣化を」
【バスボムの作り方】
材料(1個分)
重曹(食用)......大さじ2
クエン酸(食用)......大さじ1
無水エタノール(スプレーボトルに
詰め替えたもの)......適量
作り方
(1)ボウルに重曹とクエン酸を入れ、
スプーン等でよく混ぜる。
(2)材料をかき混ぜながら
無水エタノールを吹きかけ、
ギュッと握って固まるくらいに湿らせる。
肌が敏感な人はビニール手袋を着用。
(3)丸めてラップに包み、
乾燥しないよう輪ゴムで口を縛る。
こんな風に入浴するとより効果的です
ふくらはぎをさする
ふくらはぎを両手で包み込み、
軽く圧迫しながら1~2分間、
下から上へとさする。
強くこすり過ぎないのがコツです。
手のひらをもむ
右手のひらに左手親指の腹を当て、
痛気持ちいい程度の強さで、
「の」の字を書くよう2~3回もむ。
左手も同様に行って。
爪を押す
親指と人さし指で、
反対の手の爪の生え際をつまみ、
痛気持ちいいくらいの力で10~20秒ほど押します。
全ての指の爪に行います。
週3回10分の散歩で血流を促進
有酸素運動をプラスしてさらに血管を健康に
「有酸素運動とは、
呼吸をしながら時間をかけて行う運動のこと。
筋肉量はあまり増えませんが、
脂肪を燃焼させるとともに、
一酸化窒素(NO)の産生を増やし、
血管を若返らせる効果をもたらします。
血栓を防いだり、
血圧を下げるのにも有効。まずは週に3回、
10分程度の散歩(ウォーキング)を行い、
慣れたら20分に増やして」
ココがポイント
無理をしない
頑張り過ぎてしまうと、
それがストレスになって逆効果に。
無理のない範囲で行い、
長く続けることを意識し、
慣れてきたら時間を延ばして。
ふくらはぎを意識する
歩く際は、
ポンプの役目を担うふくらはぎの筋肉を
意識するのがコツ。
手を前後に軽く振り、
膝の裏をしっかり伸ばして歩くと効果的。
正しい歩き方

<参考: 栗原 毅>