不調スッキリ! 毎日のツボ押し365
中医学のエキスパートである鍼灸師の兵頭 明先生が、
ツボの効能や位置、効くメカニズムを解説します。
健康の土台作りに、
不調改善に、
1日1分のツボ押しを習慣にしましょう。
通里(つうり):心経のツボ
ツボ名の由来
「通」には通達とか経過の意味があり、
「里」は表裏の「裏」を指しており、
心と小腸が表裏の関係にあることを示しています。
通里は心経の「絡穴(らくけつ)」
(表裏の関係にある経絡を連絡させるツボ)であり、
心経はこのツボのところから分かれて小腸経に達し、
小腸経と心経の表裏二経を通じさせていることから、
通里と名づけられています。

ツボの場所
手首の内側のしわの上で、
小指側の骨の横のくぼみに「神門」を取り、
その上1寸のところ
刺激の仕方
人差し指の腹で垂直に10秒くらい押します。
左右の通里で5回繰り返しましょう。
舌の運動障害、舌のしびれなど
1.血液の循環を改善することにより、
動悸を緩和させる作用があります。
2.精神を安定させることにより、
不眠、健忘を改善させる作用があります。
3.舌は発声と関係していることから、
突発性失語症の治療に用いられることもあります。
4.心の経絡は舌に通じていることから、
舌の運動障害、舌のしびれを改善させる作用があります。
【豆知識】
「絡穴」は、
表裏の関係にある経絡を連絡させるツボです。
東洋医学では表裏の関係にある臓腑は、
肝と胆、心と小腸、脾と胃、肺と大腸、腎と膀胱、
心包と三焦とされています。
ツボ取りに役立つ「同身寸法」

親指の幅を1寸、
人差し指・中指・薬指を合わせた幅を2寸、
人差し指から小指までを合わせた幅を3寸とする。
ツボの探し方としては、
ご自身の指の長さや幅から位置を割り出す
「同身寸法」という方法が適しています。
“自分の体は自分で測る”という考え方で、
体格差などから一律に「cm」で表せないツボの位置も、
同身寸法なら測ることができます。
この連載では、
しばしば「へその上3寸」といった表現が
出てきますが、
その際には上記の「同身寸法」を
用いてツボを取ってみてください。