ひざが痛くて歩けない…
を断ち切る、
意外なほど簡単な筋トレ。
83歳の健康研究者がすすめる
「10回ルール」
「歩きたいのに、
すぐ疲れる」「ひざが痛い」「気力が続かない」
などの悩みを抱えている方へ。
健康増進の研究をしてきた83歳の
名誉教授・石田良恵さんが、
誰でも簡単にできて、楽しくて、
そして効果的なコツを紹介します。
ひざが痛いなら
「太ももの前の筋肉」を鍛える
「ひざが痛くて歩けない」というお悩みを
抱えている方は多いでしょう。
歩くたびにひざが痛むのは苦痛ですし、
歩くことが不安になって、
外に出るのを躊躇してしまうのは
しかたがないことです。
でも、じっとしていると筋肉が衰え、
かえって痛みが強くなってしまうのです。
痛いから歩かない、
歩かないと筋肉が弱くなってしまう、
すると痛みがもっと強くなる、
さらに歩きたくなくなる
こんな悪循環です。
この悪循環を断ち切れるのは、
筋肉を鍛えることです。
つまり、筋トレです。
こう言うと、
「歩くのも難儀しているのに、筋トレなんて……」
とおっしゃる方がとても多いのです。
でも、太ももの前の筋肉を鍛えれば、
ひざの痛みはずいぶんと改善できますし、
いくつになっても筋肉は鍛えられるのです。
それに、
これからご紹介するのは、
あなたがイメージする「筋トレ」より、
ずっと簡単で楽だと思いますよ。
鍛えればいいのは、「大腿四頭筋」という筋肉です。
ひざが元気、
という高齢の方に共通しているのは
「前ももの筋肉がしっかりしている」ということ。
私の教室に開催当初から参加されている
90歳の生徒さんは、もっぱら車移動だったので、
前ももの筋肉がほぼついていない状態で、
触ればすぐに骨がわかるような状態でした。
それが、
トレーニング後は元気に歩けるようになりました。
この方に重点的に行っていただいたのが、
前ももを鍛えるトレーニングです。
大腿四頭筋は、
太ももの前にある大きな筋肉で、
「大腿直筋」「内側広筋」「外側広筋」「中間広筋」の
4つの筋肉が集まってできています。
ひざを伸ばすときに使われる代表的な筋肉で、
歩行や階段の昇り降り、
イスから立ち上がるといった
日常動作を行ううえで欠かせません。
大腿四頭筋には、
こんな働きがあります。
「大腿四頭筋」の働きとは?
ひざを安定させ、
ひざ軟骨のすり減りを防ぐ
ひざを曲げ伸ばしするたびに、
関節にはいろいろな方向から力がかかり、
加齢とともに不安定になります。
このとき大腿四頭筋の筋肉がしっかりついていれば、
ひざが安定して、
ひざへの負担が減るので、
痛みの予防や改善につながります。
ひざの骨と骨の間には、
クッションのような役割をしている軟骨があります。
ひざがぐらついたままだと、
この軟骨がすり減ってしまい、
骨同士が直接こすれ合って痛みが出ます。
すり減った軟骨は、元に戻りません。
ですから、痛みが出る前、
あるいは軽いうちに対策を
始めることが大切なのです。
正しい姿勢を維持する
重力に逆らって体を支えるための
「抗重力筋」という筋肉があるのですが、
大腿四頭筋もその1つです。
抗重力筋が弱いと体を支えきれず、
ひざが曲がったり腰が落ちたりして、
姿勢がくずれやすくなります。
こうなるとひざの関節に余計な負担がかかり、
痛みが出てしまいます。
大腿四頭筋を鍛えれば、
重力に負けずに体を支えることができ、
正しい姿勢を保ちやすくなります。
太りにくい体づくりを助ける
筋肉は安静にしているときでも、
エネルギーを消費しています。
大腿四頭筋のような体の中で
一番大きな筋肉が増えれば、
それだけ消費するエネルギーも増えます。
摂取したエネルギーが効率よく使われるので、
余分なエネルギーが脂肪として蓄積しにくくなります。
また、
ひざの痛みとは一見関係がないようですが、
体重が重すぎると、
それだけでひざに大きな負担がかかります。
つまり、
大腿四頭筋を鍛えて体重を
コントロールしやすい体づくりをしておくことが、
ひざ痛の予防や改善につながるというわけです。
ひざが痛い人の
「太ももの前の筋肉」の鍛え方
①イスに座って、
胸の前で腕を軽く組みます。
背すじを伸ばして、
背中を背もたれにつけないようにします。
②片足を上げて、ひざを伸ばします。
つま先は立てて、足首と直角にします。
※上げた足の高さは、床と平行になる程度。
③上げたほうの足を、
さらにできるところまで上げます。
上げ切ったら②の高さに戻します。
★②と③の足の上げ下げを10回くり返します。
★片足で10回行ったら、
もう片方の足でも10回行います。