白髪への移行は“旅”のようなもの。
とくにブルネット(濃い髪色)の人にとっては、
時間もかかるし、
正直ちっとも楽しくない道のりになりがちだ。
ブロンドならハイライトで
うまくなじませやすいけれど、
ブルネットは「どう進めばいいのか」
長年悩みの種だった。
いきなり染めるのをやめれば、
生え際にくっきり白髪ラインが出てしまう。
かといって全体を一気に明るくすると、
鏡を見た瞬間に自分でもびっくりするし、
髪へのダメージも気になる。
しかもその色が気に入らなければ、
高いお金を払ったのに後悔することに。
でも実は、
その中間をいく新しい選択肢がある。衝撃が少なく、
手入れもコストもずっと楽。
しかも「年齢に任せる」のではなく、
“自分の意思で選んだスタイル”として楽しめる方法だ。
これがいわゆる「ヘイローメソッド」。
最近では女優クリスティン・
スコット・トーマスが実践していて、
その効果が話題になっている。
65歳の彼女は、
昨年までのグレーとくすんだ
ブラウンの中間色からシフトし、
前髪まわりに印象的な白を入れつつ、
自然なダークヘアとミックスさせる
スタイリッシュな移行を選んだ。
ただ目を引くだけじゃない。
この方法は顔まわりに光を集めることで、
まるで“リフトアップ効果”を演出。
グレイヘア=老けて見える、
という固定観念を覆してくれるのだ。
トップヘアスタイリストの
グスタフ・フーシェも太鼓判を押す。
「これはグレイヘアを伸ばすのに完璧な方法。
多くの女性はまず生え際から白髪が出てくる。
クリスティンはその部分をあえて際立たせて、
髪全体に美しい質感をプラスしているんだ」
さらに彼は続ける。
「白い部分とダークヘアのコントラストで、
美しいシルバートーンが生まれる。
とてもクリーンで、肌まで明るく見せてくれる。
その効果は多くの人にフィットするはず」
もちろんグレイヘアの正解はひとつではない。
自分に合った色味を美容師と相談しながら
調整するのがおすすめ。
ほんのりクリーミーなトーンにしても、
“顔を明るく見せる効果”はしっかり叶う。
さらに彼が注目するのは、
クリスティンの髪のまとめ方。
「彼女は顔から髪をすっきりと後ろに流している。
だからシルバー部分が肌に直接かからない。
彼女の肌はもともとゴールド系だから、
シルバーとのコントラストが際立って、
逆に肌を美しく見せているんだ」
もしシルバーが自分の肌色に強すぎると感じたら、
同じように髪を顔から離すだけで柔らかさを演出できる。
自然なダークカラーを少し残すことで、
顔まわりに奥行きが出て、
全体の印象も落ち着く。
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また、ヘイローヘアをスタイリングする時は、
デリケートなグレイヘアに合った
ブラシ選びが大切だとグスタフは強調する。
「髪に負担をかけないことが重要なんだ。
ブリーチで弱っていたり、
白髪で乾燥しやすい髪には特にね。
柔らかさや質感を出しながら、
ダメージを防いでくれるんだ」
さらにカット、
シャンプー、トリートメント、カラーケアまで、
グレイヘアを“老け見え”させない秘訣はたくさん。
ちょっとした工夫で、
“老け見え”どころか今まで以上に
自分らしい髪が手に入る。



