いつも嫌なことが頭の中をぐるぐる巡ったり、
「あの人のことを考えると不安や
イライラが止まらない」と
感じることはないだろうか。
そんなとき、まず大切なのは、
問題を解決しようとする前に、
一度「ストレスをリセット」することだ。

2~3回「ため息をつく」だけでいい
つらい状況に直面していて、
気分を改善したいとき、
唇を軽く閉じて鼻から息を吸い、
もう一度吸おう。
つまり2回続けて鼻から息を吸う。
そして口から長く息を吐き出す。
これが「生理学的ため息」と呼ばれるもので、
繰り返すと「周期的なため息」になる。
これを2~3回やる。
短い息止めを入れるなら、
息を吸って3~4秒間息を止め、
再び息を吸ってまた短く止め、
リラックスして長い息を吐く。
ため息の「大切な役割」とは?
ため息はホメオスタシス(体内の恒常性)を維持し、
呼吸の調節もしてくれる反射作用だ。
人間はふだんからおよそ5分に
一度深呼吸をしたり、
長くため息をついたりしているが、
それが肺の健康にとって非常に重要である―
ということをカリフォルニア大学ロサンゼルス校の
神経生物学教授
ジャック・フェルドマン博士から教わった。
人間は深く眠っている間にも
無意識にため息をついているという。
意識的にため息をつけば、
この反射作用の恩恵をすぐに得られる。
肺が広がって二酸化炭素を多く排出できるからだ。
「生理的ため息は意図的に
心を落ち着かせる最短の方法」
「我々が知るかぎり、
この特別な『生理的ため息』は
意図的に心を落ち着かせる最短の方法だ」と
アンドリュー・ヒューバーマン博士も
述べているとおりだ。
ヒューバーマン博士は神経科学者で
スタンフォード大学准教授、
ポッドキャスト「ヒューバーマン・ラボ」の
ホストでもあり、
ため息が気分、不安、
睡眠に及ぼす影響を研究している。
不安なときにはつい呼吸をしすぎたり
息を止めたりしてしまうが、
生理的なため息をつくことで
それを正すことができる。
「これはプラセボや魔法ではない。
生物学の基礎だ」と科学ジャーナリストで
『BREATH 呼吸の科学』(早川書房)の
著者であるジェームズ・ネスター氏も述べている。
1日5分のため息を
1ヵ月続けた人はポジティブに
最近のスタンフォード大学の
研究(ヒューバーマン博士らが主導)によると、
1日5分間の周期的なため息を
1ヵ月間続けた人は、
ポジティブな感情が生まれ、
睡眠中の呼吸数も減少したことが確認された。
ヒューバーマン博士自身も気持ちが
たかぶっているときや就寝前に
リラックスしたいときに
2、3回やっていると教えてくれた。
かといって、
1日中ため息をついていなければ
いけないわけではない。
やりすぎると二酸化炭素を排出しすぎ、
過呼吸になる恐れがある。
ため息の持つ「リセット」の力
ため息は心理的なメリットがある以外にも、
大きな希望を秘めていることがわかるだろうか。
今どんな困難に直面していても、
人間には「リセットする力」が備わっている。
人間の素晴らしい生理機能のおかげで、
リラックスして地に足をつけられるのだ。
<参考:ジェニファー・L・タイツ >