心の健康、どう保つ?
臨床心理士が教える、
神経系から安心感を育む方法|
腹側迷走神経とは何か
皆さんは「ポリヴェーガル理論」や
「迷走神経」といった言葉を
聞いたことがありますか?
今回は、
対人関係と関連する腹側迷走神経系を鍛えて
安心感を育む方法を解説します。
ポリヴェーガル理論は、
1994年にアメリカの神経科学者
スティーブン・ポージェス博士
によって提唱されたもので、
哺乳類の自律神経系の働きについて
新たな視点を与えました。
ポリヴェーガル理論では、
私たちの心や身体の状態を
3つの自律神経系から説明しています。
それは交感神経と2つの副交感神経
(背側迷走神経複合体と
腹側迷走神経複合体)です。
自律神経系は脳幹から出て、
体内のさまざまな臓器に広がっており、
その機能によって私たちの心拍数、呼吸、
消化などが調整されます。
腹側迷走神経は特に、
社会的交流や安心・安全感に関与しており、
社会的なつながりやコミュニケーションを促進します。
たとえば、
他者の笑顔を見たときに感じる安心感や、
誰かと目を合わせて頷き合う信頼感・安全感などは、
この神経の働きによるものです。
腹側迷走神経が適切に機能していると、
身体が「安全」と感じ、
リラックスした状態を維持しやすくなります。
安心安全の感覚を育むために
腹側迷走神経は未完のまま産まれます。
養育者から宥めてもらうこと、
そして子供の気分が良くなると養育者の気分も
良くなるといったように、
お互いに気分を調整する協働調整によって
神経系は育っていきます。
腹側迷走神経が育っていないと
他者との間に安心感や安全感を持ちづらくなります。
ほとんどの場合、
私たちの生活には他者との交流が欠かせないため、
心の健康を保つためにも安心安全の
感覚を持つことは非常に重要です。
24時間緊張状態で生活をしていると、
ストレスが増え、心身に症状が出やすくなります。
それでは、
安心安全の感覚を育む方法方法を紹介します。
1. 安心できる環境を整える
自分の生活空間を安全で心地よい
場所にすることが大切です。
好きなものを集めたり、整理整頓したり、
快適な照明や温かみのある色使い、
植物を置くなど自分がリラックスできる空間にしましょう。
2. 信頼できる対人関係を築く
無理に交流関係を広げようとせずに、
信頼できる人との関係を少しずつ築いていきましょう。
3. 境界線を設定する
他人との関係において、
自分にとって何が許容できるかを明確にし、
その境界線を守ることが重要です。
他人の問題と自分の問題、
他人の気持ちと自分の気持ち等、
境界線を意識し、
自分がコントロールできる範囲と
すべきことを明確にしましょう。
4. セルフケアを続ける
定期的にセルフケアの時間を設けることで、
ストレスを軽減し、安心感を高めることができます。
お風呂に入る、趣味を楽しむ、
自然の中で過ごすなど、
自分を大切にする時間を意識して持ちましょう。
5. 瞑想やリラクゼーションの実践
瞑想やヨガなどリラクゼーションスキルを
取り入れましょう。
特に、
瞑想やヨガは自律神経系に良い影響を
与えるためオススメです。
腹側迷走神経を
活性化するためにできること
腹側迷走神経は中耳、首、咽頭・喉頭、
肺や心臓などを通っています。
腹側迷走神経系と関連した場所を使い、
ケアすることで神経系を穏やかに育んでいきましょう。
1. セルフタッチ
身体の落ち着く場所に手を置き、
その暖かさや感覚を感じてみましょう。
例えば、
お腹や胸元、背中、首や肩など
心地よいと感じる場所です。
2. 抑揚のある歌を歌う
大きく口を動かしたり、喉を震わせたりしながら、
歌を歌うことで神経系に良い影響があります。
特に抑揚があるような歌がオススメです。
3. ゆっくりと呼吸をする
息をゆっくりと長く吐くことで
副交感神経が活性化します。
呼吸をする際は、
ゆっくりと長く吐くことを意識しましょう。
4. 笑う
笑顔を作ったり、笑ったりすることは、
腹側迷走神経を活性化します。
面白い動画を見て笑ったり、
ペットや子供に微笑んだり、
笑顔を作ってみましょう。
5. 社会的なつながり
安心できる人との会話や
アイコンタクトなどの社会的な交流は、
腹側迷走神経を活性化させます。
友人や同僚だけではなく、
よく行くショップの店員やマッサージのセラピスト等、
人との繋がりの機会を増やしてみましょう。
※もし自分一人で対処できないと感じた際は、
医療機関や心理師等の専門家に話を
聞いてもらうことをオススメします。
身近な場所に相談できるところがないか
探してみましょう。
<参考:石上友梨>
1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
あなたなら出来ます応援しています
Rupan by サロンディレクターNao