今から6~7年前、
「かつてないほどのサバ缶ブーム」が起こりました。
全国のスーパーマーケット、
コンビニエンスストア、ドラッグストアを
対象に行った調査では、
サバ缶は2017年で前年比35%増、
18年にはさらに伸びが加速し
前年比53%増。この年は、
これまで魚介の缶詰売り上げで
不動の1位だったツナ缶を抜き、
サバ缶の市場規模が最大になりました。
料理レシピの検索・投稿サイト
「クックパッド」による18年の
「食トレンド大賞」はサバ缶。
食に関する調査・研究を行う「ぐるなび総研」も、
18年の「今年の一皿」としてサバを選定しています。
これほど大ブームになった理由の一つが、
サバ缶の健康効果がテレビ番組をはじめとする
多くのメディアで取り上げられるようになったこと。
「サバ缶第1次ブーム」と呼ばれる13年、
テレビ番組で「サバ缶がダイエットによい」と紹介され、
「サバ缶第2次ブーム」の16~18年には
「脳の活性化」「血管の若返り」「生活習慣病予防」
「ストレス軽減」「美肌」などなど。
サバには必須脂肪酸の
EPA(エイコサペンタエン酸)と
DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれていますが、
これらが健康にいいと周知されるようになったのです。
しかも缶詰ですから骨や血合いも丸ごと食べられ、
生で食べるよりサバの栄養素を多く摂取できる。
使い勝手が良く、
値段はお手頃で、長期保存可能。
この連載の担当者の周辺でも、
サバ缶ブーム時、
「体にいいからサバ缶を常時ストック」とする人が続出。
担当者自身は大阪に住む両親へ「
認知症対策に毎日食べてね」と
サバ缶48缶を送ったそうです。
EPAやDHAは健康にいいとされる
オメガ3系不飽和脂肪酸という栄養素で、
サバに限らず、イワシ、サケ、マグロと
いった脂肪が多い魚に含まれています。
EPA、DHAは血中の中性脂肪を下げる
効果があることから脂質異常症の
治療薬として使用されており、
またオメガ3系不飽和脂肪酸が
心筋梗塞や狭心症などの予防に有益との
研究結果も発表されています。
08年発表の日本の大規模臨床試験
「JELIS試験」では、
脂質異常症治療薬のスタチンを服用している患者さんへ、
高純度のEPA製剤を追加投与したグループは、
そうでないグループに対して、
虚血性心疾患の発症リスクが53%減少する
との結果が示されています。
ただ、健康のためにEPA、DHAを積極的に取ったら
いいかとなると、別問題。
その理由は、
前回の本欄で述べたことと通じます。
ブームとは関係なしにEPAやDHAが多い
魚を日常的に食べている人は、
もともと健康意識が強く意欲的で、
積極的に体にいいことを取り入れている人でしょう。
サバ缶を食べるだけではダメなんです。
EPAやDHAに中性脂肪を下げる効果があっても、
運動もせず、
高脂肪食品を好きなように食べていれば、
中性脂肪が下がるどころか、
上がります。
そもそも薬で摂取できるほどの量を、
食品で取るのは不可能です。
サバ缶48缶を娘(連載担当者)から
受け取った大阪のご両親。
「子供たちには頼れないから」と、
サバ缶はブームで終わらせず、
あれから6年経った今も、
毎日無塩で水煮のサバ缶を食べているそうです。
缶詰は塩分強めですから、
無塩というのもポイントです。
そんなご両親がほかに毎日食べているものは、
雑穀入りご飯、手作りの減塩味噌、納豆、豆腐、
すりおろしたタマネギ、ちりめんじゃこ、
手作りのシソジュース、豆乳、煮干し、
カツオ節、畑で育てた旬の野菜。
料理の味付けはごくごく薄く、野菜多めで、
野菜は通常は捨てる部分(根っこなど)も
細かく刻んだりして活用。
ご飯は少なめ。
朝昼晩とほぼ決まった時間に食事を取る。
お酒は、
常温の発泡酒1缶を時々夫婦で分けて飲む程度。
甘いものが好きで、
牛乳たっぷりのコーヒーと和菓子を
おやつに食べるのが習慣。
ただ、2人そろって朝6時起床、
朝食前にラジオ体操を一緒にし、
午後にプールか山歩きに出かけ、
夕方には2人でウオーキングという
活動的な生活だからか、
肥満とは無縁とのこと。
79歳と76歳のご両親、
そろって持病なし、服用している薬なし、
だそうです。
そして、
健康食品やサプリメントの類いは
一度も使った経験なし。
1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
あなたなら出来ます応援しています
Rupan by サロンディレクターNao