「大腸ポリープができる原因」となる
可能性の高い食べ物はご存知ですか?
大腸ポリープができる原因とは?
Medical DOC監修医が大腸ポリープの原因・
症状・検査法・予防法や何科へ受診
すべきかなどを解説します。
気になる症状がある場合は迷わず
病院を受診してください。
「大腸ポリープ」とは?
大腸ポリープは粘膜層にできるイボのような
突起を指していて、
ポリープの大きさはさまざまで種類も多く、
種類によってはがん化のおそれもある腫瘤です。
主に、40歳以降の中年層や高齢者に
多く認められる疾患です。
全大腸の中でも特に高頻度で認められる
発生部位としては直腸やS状結腸で
あると考えられています。
ポリープのサイズは、
数mmから数cmまで多種多様で
個々によって所見は異なります。
大腸ポリープの種類
大腸ポリープは組織のタイプによって、
腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分けられます。
腫瘍性ポリープ
腫瘍性ポリープは悪性腫瘍・
良性腫瘍に分けられます。
このうち悪性腫瘍化(がん化)するのは
腫瘍性ポリープのうちの良性腫瘍(腺腫)です。
腫瘍性ポリープは主に遺伝、
生活習慣、加齢などが原因となって発症します。
がん化の心配がある腫瘍性ポリープは
早期の検査によって発見し、
処置する必要があります。
腫瘍性ポリープの約80%は良性腫瘍で
腺腫と呼ばれていますが、
この腺腫を放置してしまうとがんに変化
してしまうリスクが高いといわれています。
一般的に、
無症状のことが多い大腸ポリープなので、
定期的に検査をして病変の早期発見を
目指すことが必要です。
非腫瘍性ポリープ
非腫瘍性ポリープは炎症性ポリープ・
過形成ポリープ・過誤腫性ポリープ・
の他のポリープに分類されます。
非腫瘍性ポリープは、
ほぼがん化する心配のないポリープといえます。
特に、炎症性ポリープは腸に炎症を起こす
病気が原因で発症し、
過形成ポリープは加齢が原因、
過誤腫性ポリープは粘膜の
過剰発育が原因になり発症します。
非腫瘍性ポリープでは潰瘍性大腸炎・
クローン病などが原因で発症する炎症性ポリープ、
加齢が原因の過形成ポリープなどがあります。
子どもや若年層がかかりやすい
過誤腫性ポリープは組織の
異常からできるポリープで、
大腸がんに変化することはまずありません。
大腸ポリープのうち、
非腫瘍性ポリープはがん化することのない
ポリープのため、
放置してもほとんど問題ありません。
大腸ポリープができる原因
大腸ポリープが発症する理由には、
遺伝、生活習慣、
加齢などの影響が考えられます。
遺伝
大腸ポリープは、
遺伝的な要素が大きな原因としてあげられるため、
家族や血縁者に発症者がいる場合は
注意が必要です。
特に、
遺伝性大腸がん・家族性大腸腺腫症・
リンチ症候群などは遺伝が大きく関わってくるので、
これらの疾患が疑われる場合には
消化器内科など専門医療機関を受診して、
早めに検査を受けることが重要です。
欧米化した食生活
日々の高カロリー食などの食生活・
過度な飲酒・喫煙など生活習慣も大きく関わります。
肥満なども原因のひとつとなりがちなので、
日頃から気をつける必要があります。
普段の食生活などを始めとする生活習慣が、
大腸ポリープの発症率に関連していると
指摘されています。
通常では肉類など動物性脂肪を多く摂取する、
あるいは食物繊維の摂取が乏しい
食生活の欧米化に伴って本疾患が
発症しやすいと考えられています。
加齢
大腸ポリープの発症は
40歳過ぎから多くなり高齢になるほど
発症しやすくなります。
大腸ポリープという病気は、
わが国ではこの20年間で増加の一途をたどっており、
おおむね40歳代ごろから罹患率が増加し始めて、
年齢が上がるにつれて発症しやすくなる
疾患と考えられています。
したがって、
特に40歳以上の方は、
定期的な検査(大腸がん検査など)を
積極的に受けるようにしてください。
大腸ポリープができると現れる症状
大腸ポリープが形成されると、
主に腸閉塞に伴う腹痛や嘔吐、
あるいは血便などの症状が見受けられます。
腸閉塞
一般的には、
大腸ポリープは無症状であることが多く、
特にポリープの直径サイズが小さい症例では、
自覚症状が認められないことも往々にしてあります。
肛門近くに発生するケースでは、
ポリープそのものが便の通り道を妨げて
塞いでしまうことで腸閉塞を
引き起こすリスクがあります。
腸閉塞になって、
腹痛や嘔吐が見られる場合には、
命にかかわる場合もありますので、
できるだけ早く消化器内科や
大腸肛門外来など専門医療機関に相談しましょう。
血便
ポリープ病変が肛門外に突出することも考えられますし、
肛門や直腸部にポリープ病変が形成されている際には、
血液成分が混入した便(血便)が
排泄されるなどの有意症状を認める場合もあります。
その際には、
大腸病変を評価するために消化器内科など
専門医療機関を受診しましょう。
大腸ポリープの検査法
大腸ポリープの検査法としては、
便潜血検査や大腸内視鏡検査などが
挙げられます。
便潜血検査
便に血液が混ざっていないか検査するのが、
便潜血検査です。
基本的には、2回チェックすることが多く、
2日のうち1度でも陽性になった場合には
大腸内視鏡などでさらに詳しく検査します。
万が一、便潜血反応陽性を認められなくても、
遺伝的要素のある方や必要とみなされた方には
さらに精密な検査を行うこともあります。
具体的には、
大腸CT検査や大腸カプセル内視鏡検査などの
検査方法がありますが、
組織の採取などを行うためには、
大腸内視鏡での検査が必要です。
大腸内視鏡検査
便潜血陽性であり、
血便などの症状を呈しているケースでは、
より詳しく調べるために大腸内視鏡検査が行われます。
本検査では肛門からカメラ機能が付いた
内視鏡の管を挿入して大腸の腸管内部を
直接的に肉眼レベルで観察することができます。
大腸内視鏡検査では、
早期に大腸がんに進展しやすい
可能性を有する大腸ポリープ病変を
指摘できる画期的な検査ツールです。
大腸ポリープに対する実際の治療法としては、
現在のところ粘膜下局注を実施しながら行う
内視鏡的粘膜切除術が主に確立された処置手技です。
内視鏡検査中に病変が認められれば、
その病変を専用鉗子で採取したのちに
病理学的に顕微鏡で評価することによって、
がん病変か否かを確定的に診断することもできます。
また、
大腸ポリープが内視鏡検査で認められた際には、
積極的な治療が求められる病変かを
評価するために、
大腸腸管壁の内部に青い色素を
直接的に散布することで病変部を詳細に
観察できる色素内視鏡検査が実践されることもあります。
最新の知見では、
大腸ポリープに対しては、
ポリペクトミーやEMRなど通電を伴う
内視鏡切除がこれまで適用されてきましたが、
最近では通電を伴わない
cold polypectomyを導入・
実施する施設が増えてきています。
大腸ポリープの予防法
大腸ポリープの予防法として、
規則正しい生活習慣が基本となります。
規則正しい食生活
大腸ポリープは前述した通り常日頃からの
食生活などの生活習慣が関与して
発症すると言われているために、
日常的に栄養バランスが優れた
食事習慣を持つことが重要な観点です。
具体的には、肉など高脂肪、
高たんぱくの食べ物を出来るだけ
控えるようにするとともに、
出来る限り偏食を改善して、
1日3食規則正しく食べるように意識しましょう。
特に、
野菜や穀物、きのこなど食物繊維を豊富に
含んだ食品を積極的に摂取するように
心がけましょう。
禁煙・節酒
大腸ポリープの発症を予防するための
一つの対処策として、
過度のアルコール摂取や喫煙が
大腸ポリープ罹患に関与することも指摘されています。
禁煙ならびに機会飲酒に留めておくように
認識しておきましょう。
「大腸ポリープの原因」
についてよくある質問
ここまで大腸ポリープの原因などを紹介しました。
ここでは「大腸ポリープの原因」
についてよくある質問に、
Medical DOC監修医がお答えします。
大腸ポリープがあるとどのような
症状が現れますか?
甲斐沼 孟(医師)
大腸ポリープがあると、腹部違和感、腹痛、嘔気・嘔吐、
血便などの症状が出現する場合もあります。
心配であれば、
専門医療機関を受診して相談しましょう。
大腸ポリープができる可能性の高い
食品や食生活を教えてください。
甲斐沼 孟(医師)
大腸ポリープができる原因のひとつとしては、
脂肪成分を多く含む揚げ物や肉などの
動物性脂肪を多く取る、
あるいは食物繊維を習慣的に摂取しないなど
いわゆる食生活の欧米化に関連する
日々の食生活が発症誘因になると考えられています。
大腸ポリープを予防する
食品はありますか?
甲斐沼 孟(医師)
じゃがいもなどの野菜や穀物、きのこ類など
食物繊維を豊富に含んだ食品を摂取すると、
大腸ポリープを予防できる可能性があります。
ストレスが原因で大腸ポリープが
できることは考えられますか?
甲斐沼 孟(医師)
大腸ポリープの直接的な原因は
まだ明確ではありませんが、
脂肪の過剰摂取や食物繊維不足のみならず
ストレスに伴う便秘症状が危険因子の
ひとつだと考えられています。
便秘によって大腸内に貯留している
便が発酵を起こすことで大腸ポリープ病変の
引き金になると考えられています。
まとめ
大腸ポリープは、40代になると約半数が発症し、
50歳以上になるとより多く発症する
といわれる病気ですので、
加齢に伴って定期的に大腸がんの
検査をするとよいでしょう。
大腸ポリープ発症に関する危険要素としては、
日常的な食習慣以外に過剰な飲酒、
長期の喫煙習慣、肥満体形、
遺伝的要因なども知られています。
若年層に大腸ポリープが認められることもあるので、
特に家族に大腸ポリープやがんの
診断を受けた方がいる場合には注意してください。
今回の情報が参考になれば幸いです。
<参考:医師甲斐沼 孟>
1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
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