八ヶ岳を巡る、聖なる水と歴史の旅⑥


2020/10/7

八ヶ岳を巡る、聖なる水と歴史の旅⑥

 

 

 
 
八ヶ岳を巡る、聖なる水と歴史の旅⑥
 
 
 
8月も終わりに近づいたある日、
 
前号でお話を伺った諏訪ガイドスペシャリスト・
 
谷澤氏に「ちょっと面白いお祭りがあるのですが、
 
行ってみませんか?」と
 
誘われ、原村へと足を延ばした。
 
 
 
 
 
 
 
諏訪大社のサイトによると、その祭りは
 
「御射山祭」と呼ばれ、毎年8月の終わりに
 
通常3日間に渡って執り行われるという。
 
その内容は簡単に言うと、
 
諏訪大社から神様がお御輿に乗って
 
御射山へ出張し、祭事を執り行うというものだが
 
今年はコロナ禍で1日に短縮して行われた。
 
 
ちなみに、諏訪大社の神様と言えば、
 
建御名方命とその后神である八坂刀売命という
 
イメージがあると思う。
 
記者も右に習えの知識しかなかったのだが、
 
実は上社には国之常立神をお迎えして行われる
 
唯一の祭りなのである。
 
 
 
 
 
国之常立神といえば、古事記においては
 
最初に登場した神と呼ばれ、
 
宇宙の根源神として広く知られている事だろう。
 
また、新興宗教である大本教・出口直に降りた
 
神としても知られている。
 
 
 
とまぁ、そんな背景を持つ国之常立神が、
 
この日は上社から御射山神社へ輿に乗って
 
移動する。
 
松林の中に仮本殿が作られ、そこで人々が
 
ご祈祷を受ける。
 
 
つまり、この日ばかりはここが諏訪大社上社
 
なのです。
 
また、この御射山祭りは別名「はら山祭」とも
 
呼ばれており、
 
御射山神社に元々鎮座している神様を、
 
原村一帯に住む地元の人たちは
 
「はら神様」と親しみを込めて呼んでいる。
 
 
 
 
 
はら山様は子どもの疫病を摂ってくださるとされ、
 
地域の子供たちは満2歳を迎えた御射山祭りの日に、
 
神様が乗ってきた輿の下をくぐり、
 
祈祷を受けた後、八ヶ岳南麓から流れてくる
 
清流へドジョウを放って厄を流す。
 
 
 
 
 
「はら山」を「腹が病まない」とかけているのです。
 
また、どっしとりと地に根を張った松林の中では、
 
弓を弾く人たちが的を狙って次々に矢を
 
放っていた。
 
お話を伺うと、
 
この林は比較的歴史が浅く、
 
江戸時代頃に植えられたものだそうだが、
 
毎年少しずつ大きくなってゆく松林の間から、
 
的を狙うのがだんだん難しくなっているそうです。
 
 
 
 
というわけで「御射山祭」には実に様々な
 
背景が混在している不思議な祭りであるが、
 
もうひとつ、
 
この祭りは別名「風祭り」とも称されている。
 
その呼び名のとおり、
 
松林の中に吹き抜ける風は、
 
何とも言えない心地よさを感じるのだが、
 
そこに若き日の武田信玄(春信)公の
 
香りを感じた。
 
 
馬を操り、八ヶ岳の大地を疾風の如く
 
駆け抜ける若武者の姿。
 
その道中にある御射山神社の境内に
 
ある幾つもの祠に手を合わせ、
 
時に清流で喉を潤したに違いない。
 
 
 
 
 
信玄公はのちに村同士の水争いを治めるべく、
 
現在の北杜市長坂町に三分一湧水を作った。
 
 
戦国の風雲児は、偉大な歴史を作ると
 
同時に水を操る者でもあったのです。
 
 
2020年も残すところあと3ヶ月ほどとなったが、
 
占星術ではこれから12月の冬至頃から迎える
 
時代は、
 
これまでの「地の時代」から「風の時代」に
 
突入すると言われている。
 
 
モノや土地などを象徴する所有の時代から
 
それらから解放され、自由に生きる風の時代へ。
 
 
コロナ禍をきっかけに都市から離れ、
 
好きな場所で自分らしく生きる人たちが、
 
まさに風の時代の住人として私たちが
 
これから迎える時代を、
 
信玄公に様に軽やかに駆け抜けて
 
いきたいと思う。
 
 
 
 
 
  
1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
 
 
 

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