「ヘアカラー」が乳がん発症のリスクを高める可能性
- 約4万5000人の女性を対象にした調査では、
- 染毛剤の使用と乳がん発症のリスク増加に密接な関連性があると判明
- 染毛剤によって違いも見られ、暗色系よりも明色系のカラーリングの方が、
- 発がんリスク増加の傾向にあった
ヘアカラーリングもすっかりお馴染みになった昨今、
一度は髪染めをしたことのある女性もかなり多いでしょう。
ところが、カラーリングに使われる染毛剤には、
ある危険が潜んでいるかもしれません。
ホプキンス・キンメルがんセンター(アメリカ)は、
3日、国内の女性4万5000人以上を対象にした調査により、
染毛剤の使用と乳がん発症のリスク増加に深い関連性が
あることを発見したと報告しました。
研究主任のオーティス・ブロウリー氏は
「発がんの詳しい原因特定はされていないものの、
日頃使っている美容品には、発がん物質が
含まれている可能性も考えられる」と述べています。
研究の詳細は、12月3日付けで
「International Journal of Cancer」に掲載されました。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ijc.32738
染毛剤だけでなく縮毛矯正剤も
調査の結果、発がんの増加傾向は人種間によって違いも見られ、
特に黒人女性に最も強い影響が見られています。
5〜8週間ごとに染毛剤を使用する被験者を調べたところ、
多くの女性では9%の発がんリスク増加が見つかったのに対し、
黒人女性は最大で60%の増加傾向にありました。
また、使用する染毛剤によっても違いが見られ、
黒色(暗色系)に染める場合は8%増(黒人女性は51%増加)、
白や金髪(明色系)に染める場合は12%増(黒人女性は46%増)となっています。
しかしこの結果は、人種間による身体の違いよりも、
黒人女性用に作られている脱色剤に、
内分泌系を撹乱する物質が多く含まれていることが
関係している可能性が高いようです。
また同時に、
「縮毛矯正剤にも発がんリスクを増加させる傾向が見つかった」と
報告されています。
縮毛矯正剤の場合は、人種に関係なく、
5〜8週間ごとに使用するすべての女性に
30%の発がんリスク増加が見られました。
ブロウリー氏は「発がんリスクには染毛剤や縮毛矯正剤だけでなく、
他の要因も関係している可能性がある」と指摘します。
「例えば、肥満傾向にある人は、カロリー消費量が多く、
運動する機会も少ないため、染毛剤などに含まれる
化学物質の影響をより受けやすくなっているのでは」と推測しています。
一方で、原因が特定されていない以上、
公式に使用注意を促すこともできないそうです。
これだけ深い関連性が見られる以上、
染毛剤や矯正剤の過度な使用は控えた方がいいかもしれません。
Rupan by サロンディレクターNao